こんにちわ、0083です。
突然ですが、胸水って結局なにが原因か分からない事が多いな~って思いませんか?
そんな中、こんな胸水が出てきたらテンション上がりますよね!
黒色胸水!
胸水の大家である杏林大学の皿谷先生が黒色胸水についてもまとめられています。( Am J Med. 2013 Jul;126(7):641.e1-6 )
それによると、どうやら黒色胸水は4つのカテゴリーに分けられるようです。
①感染症(Aspergillus niger and Rhizopus oryzae)
②メラノーマ
③出血/溶血(肺癌や膵胸腔瘻 pancreaticopleural fistulaを含む)
④その他(活性炭での胃洗浄の時に食道穿孔という症例が…!?)
A.nigerは菌体自体の色で黒くなるようですが、 R.oryzaeは壊死物質の色か古い出血か(穿刺による?)と考察されています。まぁそもそも R.oryzaeは1例しか報告がりませんので詳細不明といった所でしょうか。
出血が原因の場合、ヘモジデリン貪食マクロファージが見られるようです。
膵胸腔瘻は膵偽嚢胞の破裂により膵酵素が胸腔内に漏れて胸水になる病態で、溶血により胸水が黒色になると考察されています。
そのため胸水中のビリルビンやFeは出血、肺癌、膵胸腔瘻で高値になります。
膵胸腔瘻では間接ビリルビン有意ですが、調べた範囲では過去の文献で肺癌のビリルビン分画の記載がありませんでした。文献にはなっていませんが、当院で経験した肺癌に伴う黒色胸水は間接ビリルビン有意でした。
つまり、出血/溶血に伴うものであれば間接ビリルビンが有意になるのかもしれません!
膵胸腔瘻では胸水中AMYがかなり高値(>1000 IU/L)になります。
胆汁性胸水はgreenish yellow or dark brownという表現がされてますね。確かに黒じゃないかなー。
黒色胸水の鑑別フローチャートはこんな感じでしょうか。
うーん。自己満足(笑)
ではでは、皆様、良いお年を~!
#黒色胸水 #てべ猫 #鑑別