0083の論文がRespiratory Medicine case reportにPublishされたってよ -Causative Antigens of Humidifier Lung in Vapor from a Humidifier: A Case Report-

こんにちわ、0083です。

人類にとって小さな1歩だが我々にとっては大きな1歩、てゆーかスタートラインの症例報告がPublishされました!

すでに森本先生にご紹介いただいておりますが、PubMedに収載されましたので解説含めて書かせていただきます。

(doi: 10.1016/j.rmcr.2023.101851. eCollection 2023.)

加湿器肺とは加湿器の水に発生したカビや細菌、エンドトキシンが原因となって発症する過敏性肺炎です。過去に多くの症例を収集し、その特徴が他の過敏性肺炎とは異なることを示しました。

加湿器の水の中に抗原を証明した報告は多数あるのですが、蒸気にも抗原が含まれているかを示す研究はありません。

そこで加湿器肺と診断した患者様の加湿器を使用し、貯留水と蒸気を採取して解析しました。

沈降抗体検査:水、蒸気ともに沈降抗体を検出し、蒸気の方が強い反応を示した。

メタゲノム解析:多数の共通する菌を検出した。その中でリード数の割合が多かったのは水、蒸気ともにSpirosoma lacussanchaeとSphingomonas sppであった。一方でPseudomonas spp.とAllorhizobium-Neorhizobium-Pararhizobium-Rhizobiumの割合は水よりも蒸気中に多く占められていた。

エンドトキシン、β-Dグルカン:水と蒸気でともに濃縮していた。

   

上記の結果より、加湿器の蒸気にも抗原が含まれており、蒸気の方が沈降抗体の反応が強かった事から、水よりも蒸気に多く濃縮された菌が抗原である可能性が考えられました。