0083の論文がInternal MedicineにPublishされたってよ -Risk Factors for Bloodstream Infection in Patients Receiving Peripheral Parenteral Nutrition-

こんにちわ、0083です。今年4本目の論文紹介です。

DOI: 10.2169/internalmedicine.3692-24

日常診療において経口摂取が困難な患者さんに対し、グルコースに加えアミノ酸やビタミンなどを含む末梢静脈栄養(PPN)がしばしば必要になります。PPNにはパレプラス、ビーフリードなどがありますが、輸液に含まれる成分が多岐に渡るため血流感染症のリスクになる可能性があります。しかしその頻度やリスク因子の報告はありません。ということで当院でPPNを行った症例を収集して調べてみました。

391例の末梢ルートでPPNを行った症例を収集しました。そのうち20例(5.1%)で血流感染症を起こしました。一般的に末梢ルートでの血流感染症の頻度は0.03-2.2%と報告されており頻度は高いと言えます。また同時期に当院でカテーテル由来の血流感染症を起こした症例(CV症例含む)は39例であり、半分以上がPPN使用例であったことが分かりました。

血流感染を起こした群と起こさなかった群を比較し、血流感染のリスク因子を同定しました。

・平均PPN投与時間が12時間/日以上

・PPNを含めた全輸液の平均投与時間が18時間以上

※投与時間は点滴の時間と考えてください。

上記2因子を満たす場合, 血流感染発症に対し感度85.0%、特異度83.2%、オッズ比27.9でした。

血流感染の原因菌は20例中13例がCNS、3例が黄色ブドウ球菌、2例がカンジダ、CNSと黄色ブドウ球菌またはカンジダが合併した症例が1例づつありました。

またPPN開始から血流感染発症までの期間は中央値18.5日(range 3-37)でした。

   

もしかしたらPPN投与時間を短くした方が感染症合併を防げるかもしれません!