初学者のための びまん性肺疾患 / 間質性肺炎診療のコツ 第2回 間質性肺炎とは?

間質性肺炎とは?

間質性肺炎とは、「炎症」と「線維化」がさまざまな組み合わせで肺実質に生じる疾患で間質を基本的な傷害の場とするものです。炎症? 線維化? 間質? 学生時代にこれらの言葉を夢の中で聞いた、あるいは学生生活が充実しすぎていて聞いた記憶がないひと向けに説明します。

「炎症」は防御と修復のための生体反応です。組織傷害が生じたときに、その原因を認識し、白血球が動員され、傷害の原因の排除が適切に制御されつつおこなわれます。それとともに炎症反応は消退、組織修復へと向かいます。怪獣、怪人と戦ったヒーロー・ヒロインが、怪獣が壊し、戦いで壊れた建物を直して去っていくイメージ。ちゃんとしてる。

「線維化」は基本的に組織修復のための反応です。傷害を受けた組織を本来は元通りに再生したいのですが、損傷がひどいなどの理由で再生できない場合に瘢痕化で代償します。以前スペインでキリストのフレスコ画をおばあちゃんがすごい感じで修復して話題になりましたがそんな感じです。その他スペインの修復の黒歴史については以下のサイトをご参照ください。(https://www.buzzfeed.com/jp/tatsunoritokushige/iyairitteru-supeinnonogayabasugiru

線維化は瘢痕化に近いのですが、慢性炎症による膠原線維(コラーゲン)をはじめとする細胞外基質の蓄積を指して使用されるようです。このあたりは臨床医の92.3%があいまいに理解しています。過剰な線維化の一例が皮膚でみられるケロイドです。

肺に線維化が生じると正常の臓器機能が果たせなくなることに加えて、肺は硬くなり容積が減少します。もともとメチャクチャ軟らかいスポンジのような臓器の肺がカッチカチになれば、ふんわり膨らまなくなり小さくなるのはわかりやすいですよね。

うまく修復できなかった結果として線維化が生じる図

間質については次回