「IV: マクロライド感受性肺MAC症患者では、クラリスロマイシンベースのレジメンよりもアジスロマイシンベースのレジメンで治療すべきか? 1.マクロライド感受性肺MAC症患者では、クラリスロマイシンベースのレジメンよりもアジスロマイシンベースのレジメンで治療することを支持する(条件付き推奨)。https://pulmonary.exblog.jp/29085698/」
AZMレジメの報告は1996年にGriffithらが初期4か月単剤AZM投与を行った検討がはじめてだと思いますDavid E. Griffith RJ et al : Clinical Infectious Disease 1996;23:98-99(AZM600mgと高用量です)。この2年前に同様にWallaceが初期CAM単剤を含むレジメの報告をしていますWallace RJ et al :Am J Respir Crit Care Med 1994;149:1335-41.
2007年当時私が作ったスライド(二人とも若い笑)データが少し悪いように見えますが、単剤高用量のデータであること、Cavitary diseaseも多く含まれていることが影響していると思います。テキサスではこの後多剤併用療養、週3回療法など次々に発表していきます。
ガイドラインではシステマティックレビューJ Antimicrob Chemother 2017; 72:i3–i19. を含む幾つかの検討で、CAMとAZMの有効性は同等であることを記載しています。
AZMを第一選択として推奨する理由として
① CAMよりも忍容性が高い
② 薬剤相互作用をお越しずらい (Rbtを例に挙げています)
③ 内服量を減らすことが出来る
④ 1日1回で済む
を挙げています。特に、日本ではCAM4錠からAZM1錠へ減らせます。
副作用の記載で
CAMは高用量で、苦み、吐き気、肝機能上昇
AZMでは同様に、胃腸障害、聴力低下
が挙げられています。
コメント:
AZM長期をまだ慣れていない私たちには、胃腸障害、聴力低下には気を付けてフォローしたほうが良いかも知れません。
これまでCAM→AZMとした方の9割はうまく変更できており、内服が楽になった、苦みが消えたと喜ばれる方が多いようです。しかし、数名下痢など胃腸障害の訴えでCAMに戻した方がいます。
社会保険診療報酬支払基金からの第22次審査情報提供(医科)の資料を添付しますhttps://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/teikyojirei/new_jirei/index.files/020226_22_ika.pdf