初学者のための びまん性肺疾患 第3回目です!

間質性肺炎とは? の続き。。

「間質」とは実質に対する言葉です。実質は臓器の働きの中心を担う組織を指し、間質は実質以外の支持組織などを指します。肺の実質は肺胞腔と肺胞を覆う肺胞上皮細胞からなっています。ここでできるみなさんは、はたと気づくのです。肺胞腔ってなんだと。空気じゃないですかと。そうなんです。肺実質の多くは空気なんです。アマゾンの段ボールの実質が小さな商品と空気からなっていることが知られています (journal of e-commerce 2017) がそれと同じです。

肺実質のイメージ シャボン玉:薄い肺胞上皮と肺胞腔(空気)

https://www.photo-ac.com/main/detail/135758?title=しゃぼん玉75

対して、本日のメインの間質ですが、狭義には肺胞壁の上皮細胞以外の部分を指します。詳しく述べると肺胞上皮細胞がくっついている基底膜と基底膜の間の毛細血管などがある部分のことです。さらに言い換えると肺胞壁の基底膜に囲まれたスペースにあたります。

実質と間質:この構造についてはどちらが実質か間質か長らく不明であったが近年判明した。◯ッツサンドという名から実質により間質がサンドされていると証明された。

肺胞壁の走査電顕像:肺胞壁の断面の赤血球が入っているのが毛細血管、肺胞の表面に毛細血管によるうねりが確認できる。矢印の先にみえる細い線がII型肺胞上皮細胞どうしの境界。矢印:筆者

Compr Physiol 6:827-895, 2016

肺の間質は肺胞のみにあるわけではありません。気管支や血管の周囲、小葉間隔壁(小葉という構造の境:次回解説予定!)、肺を包む胸膜にも間質が存在します。前述の肺胞壁が狭義の間質と呼ばれるのに対して広義間質と呼ばれています。ちなみに間質性肺炎で障害される主要な部位は狭義の間質です。経木は私の中では美味しいものが入っているイメージです。ちなみにコーギーは犬ですし、ウコギは米沢の名物らしいです。

次回は間質性肺疾患理解のための解剖です。