間質性肺炎診療に役立つ知識

Relationship of flow-volume curve pattern on pulmonary function test with clinical and radiological features in idiopathic pulmonary fibrosis

Nakagawa et al.  BMC Pulmonary Medicine 2020; 20:214

いやー面白いと思って著者名見たら日本ですか。。すばらしい!。こういう視点をもてるかは臨床医として重要ですね。

Background

閉塞性肺疾患の肺機能検査(PFT)におけるフローボリューム(FV)曲線パターンは広く認識されている。 しかし、特発性肺線維症(IPF)のFV曲線パターンに関する報告はほとんどない。 この研究では、FV曲線パターンとIPFの臨床的または放射線学的特徴との関係を調査した。

Methods

IPFの130人の患者のPFTのFV曲線とHRCT画像を後方視的に評価した。 FV曲線は、凸型および凹型パターンの有無に基づいて、凸型/凹型(Fig1 A)、非凸型/凹型(Fig1 B)、凸型/非凹型(Fig1 C)、および非凸型/非凹型(Fig1 D)の4つのグループに分けた。 コンピューター支援システムを使用して、CTハニカム領域(%HA)とsubtracted low attenuation area(%sLAA)を定量的に測定した。 CT所見の分布を評価するために、肺を上部、下部、中枢、および末梢領域に分けた。 FV曲線パターンと患者背景、スパイロメトリーの結果、および定量的CT所見が評価された。

Results

凸型パターンの患者は、93人(71.5%)、凹型パターンの患者は、72人(55.4%)であった。 4つのグループの中で、凸型/非凹型パターンの患者は、努力肺活量(FVC)が有意に低く、上部/末梢肺領域の%HAが高かった(それぞれ、p = 0.018、p = 0.005)。 凸型/非凹型パターンは、IPFの死亡率の有意な予測因子であった(ハザード比 2.19; p = 0.032)。

Conclusions

FV曲線に凸/非凹型のパターンがある患者は、FVCが低く、線維化の特徴的な分布があり予後が不良である。 したがって、FV曲線パターンは、IPFにおける死亡率の有用な予測因子となる可能性がある。

日本からの報告です。言われてみれば、Cのフローボリューム曲線は進行例でよくみます。コロンブスの卵ですね。