10月はPCD(原発性線毛機能不全症)Awareness Monthです!

https://pcdfoundation.org/

本邦では、ほとんどのPCD患者さんが正確に診断されておらず、気管支拡張症などの診断名でフォローされていたり、適切な管理も受けられずにいると考えられます。小児領域では難病として認められていますが、成人は指定されていません。正確な診断に基づく情報(症例集積)が不可欠と考えています。

原発性線毛機能不全症候群のレビューのリンクを添付します。リンクよりダウンロードしてお読み頂ければ幸いです。

https://kokyurinsho.com/lungdisease/e00103/

原発性線毛機能不全症候群(primary ciliary dyskinesia:PCD)は主に常染色体潜性遺伝形式をとる先天性疾患の1つで,気道上皮細胞など種々の臓器に存在する運動性線毛や精子鞭毛の機能的障害を来し,臨床的には副鼻腔気管支症候群(sinobronchial syndrome:SBS)の特徴や不妊症,内臓逆位などを認める症候群をいう。約半数を占め,内臓逆位,慢性副鼻腔炎,気管支拡張症を呈するカルタゲナー(Kartagener)症候群は,今日ではこのPCDの中の一病型と考えられている。また,かつてimmotile cilia syndrome(線毛不動症候群)と呼ばれていたが,今日では運動能があっても線毛の協調運動障害によって発症することから原発性線毛機能不全症候群と呼称されている。発生頻度は明らかではなく,1〜2万人に1人と推定されているが遺伝形式から近親婚文化の多い国や地域では頻度は高くなる。これまで臨床・研究ともに欧米が先行しており,本邦では専門的診断体制が存在しなかった。このため疾患として疑われず,未診断の状態で気管支拡張症などの病名により管理されている。本稿では米国推奨の診断法に加え,本邦における過去30年(2015年まで)のシステマティックレビューから得られた現状と問題点を紹介し,PCD専門外来開設以降得られた知見を紹介する。