より良いNTM診療のために ATS/ERS/ECSMID/IDSA Clinical Practice Guideline M. kansasiiの治療期間

XIV:リファンピシン感受性肺M. kansasii症の患者では、12ヶ月未満の治療をおこなうべきか、あるいは12ヶ月以上治療すべきか?
1.リファンピシン感受性肺M. kansasii症の患者では、少なくとも12ヶ月治療することを支持する(条件付き推奨)。

Scientific Reports 6:36299

文章の内容としては「治療期間は12か月でも構わない」、としています。

私見

① 喀痰陰性化後1年のほうが良いとする意見も当然あったと記載しているのですが、喀痰検査を行うべきか、については言及しておらず解釈によっては喀痰検査も不要となること。

この種の追試などは難しいので、前向き試験か、多数例をもっている施設で何かしら行うしか方法がないかと思います。しかし、当院のデータをまとめた時に受けた印象としては、M. kansasiiは中年男性にピークがあって、規則正しい内服や通院が困難で、終了後フォローも短い(終了後でOFF)症例が多い、というものでしたので色々と掘り下げるのは難しいかもしれません。

おそらく個人的には喀痰陰性化は少なくとも確認しておくだろうと思います。

② とてもよく効く印象のM. kansasiiが12か月も必要なのだ。。ということ。

結核のように6カ月治療となるのはいつのことでしょうか。さらに話は逸れますがMACがM. kansasiiのように12か月Fixとなるのは。。。少なくとも現在のRFPのような強力な薬剤が出てくるか、CAMと併せて同等の効果が期待できる状況にならないと難しい、、ということになります。

CAM+RFP+EB治療は、もしかしたら現在でも中等症までであれば9か月治療で治療可能かもしれませんが、、エビデンスはありません。ガイドラインには、有名なBTSのStudyについて記載しています。3か月減らすためだけに前向き試験は行われないでしょう(BTS以外)。

9-month regimen with rifampicin and ethambutol in 115 patients in a prospective study. Although conversionof sputum to negative was achieved in 99.4% of patients, 10% experienced disease recurrence.