結果:十分な臨床情報を得た52例のうち19例(42.2%)が治療成功を達成しました。治療失敗群の26例(57.8%)と比較して、ボディマス指数(BMI)(19.8 vs 17.5 kg/m2, P = 0.022)、肺NTM症の既往(26.3% vs 61.5%, P = 0.034)、空洞性病変の存在(31.6% vs 69.2%, P = 0.017)、気管支拡張スコア(3.0 vs 5.0, P = 0.003)で有意差を認めました。多変量解析では年齢(aHR, 0.94; 95% CI, 0.90 to 0.99; P = 0.010)、空洞性病変の存在(aHR, 0.34; 95% CI, 0.12 to 0.94; P = 0.039)および肺NTM症の既往(aHR, 0.28; 95% CI, 0.09 to 0.86; P = 0.026)が治療失敗との関連を示しました。
M. abscessus. subsp abscessusではどうでしょうか。最初に書いたように、難治となる可能性は高いので、持続排菌となれば治療期間(いつまで)を判断する段階に達しません(手術併用のときくらい)。しかし、中には幸い陰性化を得る場合があります。この時は、長期に治療したほうがよいでしょうか。私見では、やはり止めるべきときは止める、というスタンスです(つまり15-18か月)。しかし、中等症以上でようやく陰性化を得たような症例では、長くなる傾向はあると思います(終了後はかなり慎重にフォローします)。