ATS/ERS/ECSMID/IDSA ガイドライン から

推奨内容に関する補足情報です

日本のNTM診療のリアルワールドデータをレセプト解析で明らかにしたものです。

方法:2010年に新規病名がついた症例で、4年間で標準3剤治療が開始された症例を抽出して、どのような処方経過であったか調べています。

先ず、どのくらいの期間標準治療が行われていたか調べてみると、6か月以上が約59%でしたが12か月以上となると40%に下がる。さらに18か月となりますと25%まで低下する、、という結果でした。近年の米国、韓国の専門施設からの報告では、12か月以上3剤治療が継続された症例での治療成績が解析されており、これでは比較の仕様がありません。

MAC治療は菌陰性化1年以上が推奨されていますので、実臨床では60%以上の症例で理想的な治療期間に達せずに治療が終了してしまっているかもしれない、、というデータかと思います。

また標準治療が開始され、治療が2剤以下へと逸脱した症例を調べてみると、その60%以上でEBを除いた、CAM耐性の原因となるレジメへの変更でした。

なぜ標準治療が継続できないのか、、今回のデータから、日本では軽症、中等症でも連日療法がおこなわれ、副作用、特にEBの副作用によって多くの症例が標準治療から逸脱している、という状況が明らかになったと考えています。