日本結核・非結核性抗酸菌症学会の学会声明がM3で紹介されています。

EBの副作用は本当に難しいです。このため、副作用は起こさないように投与していくことが重要です。空洞や強い気管支拡張(塗抹量多い)を認めない結節気管支拡張症型に対していは、週3回療法(本邦投与量では:月水金にAZM500+RFP450-600+EB1000)で投与することによって、視神経炎リスクを減らすことができます。また、連日投与の場合はEB12.5mg/kgへ減量することによって、同様に副作用頻度を減らすことができます。

EB副作用によってRFP+CAM またはRFP+CAM+フルオロキノロンへ変更することで難治化するパターンは減らさないといけません。フルオロキノロンにはマクロライド耐性予防効果はありませんので、マクロライド感受性菌に投与することはありません(使うのは、一般細菌による気管支拡張症増悪時だと考えます)。

エタンブトール投与による眼科的副作用対策で学会声明

投与前の実施事項、診察間隔、検査内容の指針示す日本結核・非結核性抗酸菌症学会2021年12月22日 (水)配信 呼吸器疾患眼科疾患感染症投薬に関わる問題3件のコメントを読む臨床メールを登録する

 日本結核・非結核性抗酸菌症学会はこのほど、日本眼科学会、日本神経眼科学会と合同で「エタンブトール(EB)投与に際して行うべき眼科的副作用対策」に関する提言を発表した。結核および非結核性抗酸菌(NTM)症の標準治療薬であるEBを、特にNTM症で1年以上の長期使用や再発再燃に対して繰り返し使用した場合、重大な副作用として視神経障害による視力障害の発生が危惧されることを受けてのもの。投与前の実施事項、診察間隔、検査内容に関する指針が示されている。

 投与前の実施事項として、患者への説明、視神経障害の初期症状と自己評価、投与前の眼科診察について言及。中でも、視神経障害の初期症状と自己評価については、初期の自覚症状(霧視、注視しているものが見づらい、黒ずんで見えるなど)はどのようなものか、また、患者自身で実施可能な評価方法を、医師は患者に説明するように指導している。眼科診察については、投与前にEB処方医は眼科に診療情報提供書を作成し、眼科において、眼科一般検査(細隙灯顕微鏡検査、眼底検査)、視力検査などを行うよう注意喚起している。

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