0083の論文がScientific ReportsにPublishされたってよ -Video gamers demonstrate superior bronchoscopy skills among beginners-

ついにこの論文を紹介する時が来ました!

タイトルを見てすでに並々ならぬオーラを感じている方もいらっしゃるでしょう。そうです、「ゲーマーは気管支鏡が上手い!」という論文がアクセプトされました!

なんとなくゲームが上手い方が気管支鏡も上手いんだろうなぁっていう印象があると思います。過去には、腹腔鏡手術、消化器内視鏡、関節鏡、眼科手術、気管挿管などの様々な医療主義との関係が報告されていますが、気管支鏡の報告は限られています。

そこで気管支鏡とゲームの関係を調べるため、モデルを使用した内腔観察に要する時間とゲーム(スプラトゥーン2)のクリア時間を測定しました。

もう一回言いますね。スプラトゥーン2をプレイしてもらいました!!

   

参加者をBF未経験者(n=23)とBF経験が100回以上ある熟練者(n=18)に分け検討しました。

未経験者(A)では内腔観察時間とゲームクリア時間の間に中等度の相関を認めました(r=0.453, p=0.030)。一方で熟練者(B)では相関はありませんでした(p=0.283)。

さらにゲーム習慣から、週1時間以上かつ6年以上の経験がある者をゲーマーと定義しました。なおアクションを伴わないゲーム(RPG、パズル、シュミレーション、アドベンチャーなど)のみの経験者は非ゲーマー群に分類しました。

BF未経験者において、

A: ゲーマーの方が内腔観察時間が短かった(196秒 [129-229] vs. 281秒 [184-342], p=0.005)。

B:ゲーマーの方がゲームクリア時間が短かった(33秒 [22-47] vs. 75秒 [41-153], p<0.001)。

熟練者ではゲーマー群でゲームクリア時間が有意に短かったのですが(中央値34秒 [26-47] vs. 69秒 [31-134], p=0.006)、BF内腔観察時間は変わりませんでした(中央値101秒 [79-152] vs. 105秒 [82-165], p=0.534)。

   

以上より、BF初学者において、ゲーマーの方がBFを上手く操作できると考えられました!

ちなみにスプラトゥーン2の評価は試し打ちモードで8体の敵を倒すまでの時間を計測しました。初期武器を使用し、ジャイロではなくジョイスティックでプレイしました。

   

中二病論文に次ぐ気合いの入ったこちらの論文、実はスプラトゥーン2の写真を論文に載せたかったので任天堂さまにもメールしたんです。ただやはり権利関係で断念してしまい少し心残りが…(任天堂さまは個別の許可は出せないけど、医学論文だったら取り下げ請求しないよと言ってくださり、すごく優しかったです)

  

ということで、ゲームは医療を救う…やも笑

この研究、4月7日の呼吸器学会総会でポスター発表しますので、皆さんパシフィコ横浜でお会いしましょう!!

CONVERT試験の日本人サブ解析の結果がRespiratory InvestigationにPublishされました。

第三相試験の途中からの参加でしたが、サブ解析を行う価値があるほどの症例数が登録されました。

参加施設の中で登録数が多かったのか、筆頭を務める機会を頂きました。

CAM耐性例を含む難治例、重症例が登録されていたことが分かります。

その中で、アウトカムは全体に近いものが得られているというのは、現在の使用した実感に近いと思います。陰性化の得られない状態になる前に、使用を検討することが重要だと思います。

リアルワールドデータについては、学会でケースシリーズが多く発表されていますし、PMSでは多数例でのデータが示されることが期待されます。

マインドマップを試したら、いろいろと大変な状況が可視化されてしまった。。わかってたけどね。

WHO「グローバルTBレポート2023」についてーコロナ禍から回復しつつある結核対策と目標達成に向けた新たな取り組みの必要性ー 菅本先生執筆

「今日、私たちは彼らが夢見たであろう知識と手段を手にしています。。。
これは、結核という物語の最終章を描く絶好の機会です。」

「2025年から2022年までの結核罹患率の累積減少は8.7%で、2025年までに50%現象させるという世界目標には程遠い」

0083の論文がMedicineにPublishされたってよ -Predictive factors of the presence of pulmonary embolism in patients with interstitial lung disease: observational study-

今日も今日とて論文紹介の0083です。今回、publishされました論文はこちら。(doi: 10.1097/MD.0000000000036828.)

杏林大学病院呼吸器内科との多機関共同研究です!

肺血栓塞栓症(PE)とは血栓が肺動脈に詰まることで急性呼吸困難、胸痛を起こす疾患であり、突然死の原因になることがあります。PEの診断は、Wells criteriaや改訂Genevaスコアで検査全確率を検討し、D-dimerの値を参考にして造影CTを行い、肺動脈の途絶像を確認することが一般的です。しかし間質性肺炎を有する症例では急性増悪とPEの臨床症状が類似しているため、どのような症例で造影CTを撮影するべきか不明です。そこでそのリスク因子を明らかにするために、間質性肺炎症例においてPEを疑って造影CTを撮影した症例を収集し、実際にPEを認めた症例と認めなかった症例とに分けて比較しました。

2018年1月から2023年3月までに複十字病院と杏林大学病院において間質性肺炎を持ち造影CTで肺動脈の評価を行った症例を収集したところ、65例のうち18例でPEを認めました(PE群)。

PE群と非PE群を比較したところ、PE群でD-dimer(中央値 24.5 µg/mL vs. 9.3 µg/mL, p=0.016)、血清総蛋白(TP) (中央値 7.2 g/dL vs. 6.4 g/dL, p=0.002)、血清グロブリン(中央値 3.8 g/dL vs. 3.2 g/dL, p=0.041)が有意に高値を認めました。しかしWells criteria(p=0.165)や改訂Genevaスコア(p=0.140)は両群で有意差を認めませんでした。

多変量解析を行うとD-dimer(p=0.003)とTP(p=0.012)で有意差を認めました。

ROC曲線を用いてカットオフ値をTP ≥7.0 g/dL、D-dimer ≥11.8 µg/mLと設定すると、PEの予測に対するオッズ比はそれぞれ10.5、4.90でした。

TP ≥7.0 g/dLとD-dimer ≥11.8 µg/mLの組み合わせでのPEの予測を検討しました。

両方を満たす場合、感度50.0%、特異度97.9%、オッズ比42.2でありルールインに有用でした。

両者を満たさない場合、感度94.4%、特異度46.7%、オッズ比14.5でありルールアウトに有用でした。