PCDの遺伝子検査が外注検査で可能となりました。

学会シンポジウムでも少し触れましたが、かずさ遺伝子検査室のXで下記の内容がアップされています。遠方のため当院など専門施設へ紹介が困難な場合には、副鼻腔炎合併、若年発症、不妊などの背景がある気管支拡張症の患者さん(PCD疑い)には、一度遺伝子検査を優先して行うことで、難病の線毛機能不全症候群を診断できると思います。

認定により患者さんへの大きなサポートになりますので、軽症例も含めすべて登録をお願いします。

鼻腔NOや線毛検査(電子顕微鏡など)を含めて1度で検査を行い、診療フォローの方法のコメントや導入を希望される場合には、当院へご紹介頂ければ幸いです。

難病認定、遺伝子検査の承認について、びまん性肺疾患に関する調査研究班班長の浜松医大 須田教授、同研究班気道疾患分科会の結核研究所 慶長副所長、三重大学 竹内教授の尽力があったことを記します。

クロファジミンとアジスロマイシン

QTc延長で驚くことがあります。500を超えた場合(ベースラインよりも60msecを超える場合も)には中止しますが、再検査をすると正常であることが多いです。循環器の先生に相談したところ、U派を拾っているためだそうです。現場で循環器の先生にも相談して注意しながら使いましょう。マクロライドやフルオロキノロンとの併用で延長が増強するリスクがあるため、選択肢の少ないマクロライド耐性菌では、マクロライドは最初から使わないようにしています。

MACに対するアジスロマイシンの感受性についてはCLSIに下記の記載があります。CAMをみて判断しましょう。

The acquired mutational resistance mechanism in MAC isolates (ie. 23SrRNA gene mutation) is the same for both clarithromycin and azithromycin. Therefore, to be cost effective, only one macrolide needs to be tested. Because of technical difficulties associated with testing azithromycin (ie, poor solubility at the high drug concentrations that need to be tested), clarithromycin is the most appropriate class drug for testing the macrolides. Azithromycin AST is not recommended.

聴力低下は、私はあまり気づいていませんが、間違いなくあるようです。AZM使用中の訴えには、もしかしたら、、と思って対応しましょう。治療適応となりそうな方には、初診時から聴力検査をおこなっておきます。

伊藤先生が気管支拡張のシンポジウムで発表しました。また、古内先生が大学院の研究内容を発表しました。

気管支拡張症のシンポジウムでは、日本をリードする先生方がそろって講演されました。

座長の私からお願いしたこと(追加修正込)

 ①7月1日は世界気管支拡張症デーです。気管支拡張症について、認知度を上げるために何かのアクションをとってください。例えば、しっかりと診断名について周囲に知らせること。それから、ご自身の専門に、NTMに加えて「気管支拡張症」と入れることです。実は私は以前から「気管支拡張症」と入れていました(多分日本でも稀か唯一です。欧米の先生たちは、以前からしっかり書かれていました)。

 ②来年の学会で、「気管支拡張症」をタイトルに入れた演題を発表ください。症例でもケースシリーズでもOKです。来年の一般演題は、すべてポスターとなることが決まっていますが、その中から優秀演題はsymposiumになりまますし、10年目までの先生には若手枠があります。

さらに、18か月から24か月後に新しい薬剤が入手できるまでに、各施設(多施設)のコホートをまとめておくことをお願いします。薬剤が出てからの取り組みがしやすくなると思いますし、適応となる患者さんを見つけることにもつながると思います。