0083の論文がMedicineにPublishされたってよ -Suction Pressure Levels during Bronchial Obstruction are related to Bronchoalveolar Lavage Recovery Failure: A clinical trial-

お久しぶりです。久しぶりに論文がpublishされました!実に半年ぶりです。

今回の論文は気管支肺胞洗浄(BAL)の回収率についてです。(DOI: 10.1097/MD.0000000000041505

BALは間質性肺疾患や感染症の診断のために気管支鏡で肺胞を洗浄する手技ですが、回収率が低いと有効な検査にならず30%以上の回収率が求められます。

回収ができない理由として気道が虚脱してしまうことが挙げられ、以前に紹介しました論文で気管支壁の厚みが薄い場合に回収率<30%が優位に多いと報告しました。

https://fukujuji.home.blog/2022/10/01/0083%E3%81%AE%E8%AB%96%E6%96%87%E3%81%8Cplos-one%E3%81%ABpublish%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%88%E3%80%80-analysis-of-predicted-factors-for-bronchoalveolar-lavage-recovery-failur/

そこで気管支壁の脆弱性がBAL回収失敗と関与しているのではと考え、研究を行いました。

方法:103例(うち13例が回収率<30%)を前向きに収集。BALを行う前に気管支に陰圧を徐々にかけてゆき、気管支が虚脱したときの陰圧を測定しました。

結果:虚脱時の陰圧は回収率<30%の群で有意に低かったです(median 8 hPa [95% Cl: 3–13] vs 10 hPa [4–22], p<0.001)。さらに虚脱時の陰圧による回収失敗予測に対する精度はAUC 0.807 (95% Cl: 0.687–0.927)、ROCによるカットオフ値が9.5 hPa未満で、感度67.8%、特異度92.3%という結果でした。

さらにCT画像をSYNAPSE VINCENTで計測した気管支壁の面積は虚脱時の陰圧と有意な相関を認めました。(r=0.256, p=0.010)

   

以上より、気管支壁が薄く脆弱性があると低い陰圧で気管支内腔が虚脱しやすく、回収失敗につながりやすいと考えられました。特に高い陰圧でも内腔が虚脱しない症例はほぼBAL回収に成功しました(ただし陰圧が低い症例のなかでも回収率が高い例もあり)。

WFDC2のケースシリーズでResearch Sauareにpublishされました.伊藤先生が筆頭です。

プレプリントです。

昨年AJRCCMに発表されたWFDC2ですが、韓国グループからfounder mutationとして報告されています。我々の報告したPCDの創始者変異としてのDRC1変異は韓国でも同様に見つかっており、今回我々のグループはWFDC2症例を本邦ではじめて確認し報告しました。PCDと異なる点は、上肺野優位で本邦では稀な嚢胞性線維症のような臨床像を呈すること、また進行が早い点です。難治性SBSとされ、未診断おPCDまたはPCDとされていた症例では鑑別に挙げる必要があります。

DRC1をはじめとするPCDパネルに、本遺伝子も加える必要があり、また難病としての認定が望まれます。病態もOirignalで検討されており、治療法の開発が期待されます。

気管支拡張症の治療ステップ

日本での現状、および近い将来をイメージしました。

AMRのこと、EMの供給不足なども考えればマクロライド療法の適応症例は、Step1,Step2を行ったうえで、判断されるべきかと思います。

吸入抗菌薬は、CFセンターで用いられてきた欧米でも、それほど一般的ではないのでは、と思いますが日本では使うことも困難なので除いています。

DPP-1阻害薬が使えるようになったとして、マクロライド療法より優先されるのか、は①AMRをどこまで意識するのかー施策として②医療経済ーマクロライドはとても安価です、③マクロライドとどちらがより有効か といった意見や情報により、どのような使われ方になるかが決まるのではないかと思います。④またマクロライドが副作用などで使えない場合はDPP-1阻害薬が選択肢になりえます。

DPP-1阻害薬がマクロライド使用例(且つ2回以上の増悪を起こす)にも有効であるという情報はありがたいですね。Step4でOnするのかスイッチになるのかは分かりませんが、onするのではないかと思います。また、状況によってはStep3に入る選択肢が出てくるかもしれません。

Step4からStep5くらいで、NHFも加わってくることを期待したいです。

Step5 は計画的というよりも、そうせざるを得ない状況に自然となってしまいます。

結核を除外するとは どういうことか教えます。が出版されました。

大藤貴先生が、このたび著書を出版されました!
現在、大藤先生は国立国際医療研究センター国府台病院に勤務されていますが、以前は複十字病院で一緒に働いた仲間です。
その話術の巧みさは群を抜いており、過去10年間で笑いすぎて腹筋が痛くなった数少ない経験の一つは、間違いなく彼の話のおかげ(せい)です(笑)。
本著書は、結核症の基本がしっかりと学べる一冊(140P以内で読みやすそう)。ちょうど勉強しようと思っていた方、苦手意識のある方にもおススメします。

日本臨床微生物学会総会が開催されました。

八木先生が会長をされました。10列ほどあり、プログラムを組むのは大変だったと思いますが、大変充実した内容でした。私は昨年に引き続いてシンポジウムで講演する機会を頂きました。

1日だけの参加となりましたが、大変勉強になり、医師がもっと沢山参加することで、検査部との連携、また学問、臨床ともに強化されるのではないかと感じました。

第8回 世界気管支拡張症学会

今回はじめて、アジア太平洋地域での開催となり、アジアでのNTM、気管支拡張症について中心にとりあげられます。日本からも沢山の方に参加頂ければと思います。

最新ガイドラインに基づく 呼吸器疾患 診療指針

肺非結核性抗酸菌症の項を、伊藤先生と分担執筆しました。
呼吸器疾患に関する書籍は数多くありますが、この本はその中でも特に多くの方に知られている一つです。機会があればご覧ください

PCDの遺伝子診断で、最も難しいとされているHYDINの診断方法確立を報告した論文がJournal of Medical Geneticsにpublishされました。

研究所の土方部長が筆頭です。本当にすばらしく、本研究に貢献できてよかったと思います。

次世代シークエンサーがPCD診断を大きく進歩させましたが、HYDINという遺伝子は偽遺伝子があり、その変異の証明が難しく世界中の研究者の大きな課題となっていました。

本手法は、正確にHYDINが原因と特定できることを証明しています。

患者さんにとって大きな恩恵となると思われます。

臨床的に疑いが強くても、外注遺伝子検査(かずさ遺伝子研究室)で変異が同定されない症例について

、当院では鼻粘膜のRNAseqを用いた診断法を行っています。