お久しぶりです。久しぶりに論文がpublishされました!実に半年ぶりです。
今回の論文は気管支肺胞洗浄(BAL)の回収率についてです。(DOI: 10.1097/MD.0000000000041505)
BALは間質性肺疾患や感染症の診断のために気管支鏡で肺胞を洗浄する手技ですが、回収率が低いと有効な検査にならず30%以上の回収率が求められます。
回収ができない理由として気道が虚脱してしまうことが挙げられ、以前に紹介しました論文で気管支壁の厚みが薄い場合に回収率<30%が優位に多いと報告しました。
そこで気管支壁の脆弱性がBAL回収失敗と関与しているのではと考え、研究を行いました。
方法:103例(うち13例が回収率<30%)を前向きに収集。BALを行う前に気管支に陰圧を徐々にかけてゆき、気管支が虚脱したときの陰圧を測定しました。
結果:虚脱時の陰圧は回収率<30%の群で有意に低かったです(median 8 hPa [95% Cl: 3–13] vs 10 hPa [4–22], p<0.001)。さらに虚脱時の陰圧による回収失敗予測に対する精度はAUC 0.807 (95% Cl: 0.687–0.927)、ROCによるカットオフ値が9.5 hPa未満で、感度67.8%、特異度92.3%という結果でした。

さらにCT画像をSYNAPSE VINCENTで計測した気管支壁の面積は虚脱時の陰圧と有意な相関を認めました。(r=0.256, p=0.010)
以上より、気管支壁が薄く脆弱性があると低い陰圧で気管支内腔が虚脱しやすく、回収失敗につながりやすいと考えられました。特に高い陰圧でも内腔が虚脱しない症例はほぼBAL回収に成功しました(ただし陰圧が低い症例のなかでも回収率が高い例もあり)。















