肺NAC症 NC-NBタイプに対する治療(毎日、週3回TIWの比較)

現在の重要なQCと思っていた内容を研究した結果が今週行われていたCHESTのアブストラクトに出ていました。出たな、と思っていましたが、NEJMにも取り上げられていたので紹介しておきます。

ガイドラインでNC-NBとadvanced/sever NBの区別は明確には示されておりません。NC-NBに対してTIW治療を行ってもキレが悪いと感じるときもあります。この研究は、NC-NBに対する毎日、TIWを比較したものです。

結果として毎日療法のほうが陰性化率が高いということでした。

MAC治療では、副作用と効果のバランス が重要です。現在、毎日療法だけでは副作用による逸脱が高いと考えられる本邦の実情からは、両者をうまく使い分けていく、というのがポイントになると思います。見解では、A法B法どちらも示していることは妥当だったと思われます。本研究の示す塗抹陽性というのは参考になると思いました。

本邦からも中川先生の試験に加え、様々報告が出てくることが期待されます。

「呼吸画像診断の会」のご案内です。基礎から実践までを学ぶ本会は、好評を頂き、今年で6回目を迎えます。

毎年、放射線科、内科、呼吸器科の先生に多く参加頂いている会です。

栗原先生、黒崎先生の画像
武村先生、元井先生の病理を中心に大変好評です。
黒崎先生、田中先生の読影講座も大変勉強になります。

栗原: びまん性肺疾患
武村: びまん性肺疾患
黒﨑: 肺結節性病変
元井: 肺結節性病変
森本: 気道疾患
竹内: 肺血流
田中: 呼吸器画像診断への内科的アプローチ
黒﨑、田中:読影講座

http://rdi.umin.jp/index.html こちらら登録ください。

10月はPCD 線毛機能不全症候群 Awareness Monthです。

一年間で何が出来てきたか、今、これから何ができるか考える時間にもなります。

難病認定開始の準備が進んでいると思います。

疑い症例をフォローしていましたら、お声かけ下さい。ご本人が、症状に慣れてしまい、自覚症状(訴え)に乏しいことも多いです。

疑い症例:

出生児に低酸素血症があった

幼児期から咳痰があり続いている

びまん性汎細気管支炎と診断され、マクロライドを飲んでいるが治らない

咳痰があり、内臓逆位がある

咳痰があり、不妊がある

副鼻腔炎気管支症候群(気管支拡張、細気管支炎を伴う)で明らかな原因が分かっていない

NTMについてドクターサロン(ラジオ)でお話しました。

先生(池田志斈先生)はプロフェッショナルで、話しやすく感じました。

以前は虎ノ門まで出向いていましたが、今回はTeamsを使用した収録でした。非常に便利です。

NTMの環境因子に関しての議論は難しい部分も多いですが、国内特有のデータが公表されているため、それを基に解説を行いました。このテーマはまだ研究が進行中で、多分野での共同研究が必要です。

Radiko、、こちらも便利ですが、後日ポッドキャストでも聞けるそうです(ほんと便利)。

Respir Medにpublishされた論文について、筆頭の伊藤先生による解説です。

DOI: 10.1016/j.rmed.2023.107417

先日Respiratory Medicineにpublishされました、論文の紹介になります。

肺NTM症の経過中には緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの一般細菌が検出されることがしばしばあります。しかし、一般細菌の検出が肺NTM症の経過に与える影響については、少数の報告にとどまっています。

今回私たちは、診断時に一般細菌が複数回検出された肺MAC症の患者背景と臨床経過の検討を行いました。

一般細菌が検出された群では、より強い気管支拡張像を認めましたが、MACの自然培養陰性化率は高く(19% vs. 7%, p=0.044)、MACの治療導入率は低い(41% vs. 68%, p=0.003)という結果でした。一方で、気管支拡張症の増悪頻度は高く(21% vs. 7%, p=0.015)、咳や痰などの症状は強い傾向にありました。

つまり、診断時に一般細菌が定着している肺MAC症においては、MACで難渋する症例の頻度は低く、気管支拡張症としてのマネージメントを必要とするケースが多いという結果でした。

考察——————————–

肺NTM症の中には、先行する気管支拡張症にNTMが感染するケース(気管支拡張症メインの症例)や、NTMの病勢により気管支拡張が進行しているケース(NTMメインの症例)など様々です。例えばNTMの診断基準を満たしたとしても、背景に線毛機能不全症候群などによる気管支拡張症が隠れているケースも経験しますので、注意が必要です。

さらに、今回の結果から、咳痰などの症状に与える影響はNTMよりも緑膿菌やS. aureusの方が強いことがわかりました。

患者さんが湿性咳嗽を訴える場合には、NTMの悪化だけでなく、気管支拡張症増悪も考慮する必要があります。気管支拡張症増悪であれば、1-2週間の抗菌薬治療で症状が改善することが多いです。症状の悪化だけで、安易にNTM治療を導入することは避けなければなりません。

今回の研究結果から、一般細菌の有無がNTM患者さんのキャラクターを見分ける1つの指標になることがわかりました。しかし、一般細菌の有無に関わらず、湿性咳嗽を有するようなNTMの患者さんに対しては、早期から気管支拡張症としてのマネージメントを行なっていくことが重要かと思います。

気管支拡張症のマネージメントというと、マクロライド長期療法をイメージする方が多いかと思います。しかし、マクロライド長期療法はあくまで増悪歴を有する症例に対して推奨されている治療です。気管支拡張症のマネージメントとして、まずはじめに行うべきは、自己排痰法を含めた理学療法とされています。

当院では自己排痰法を指導するためのパンフレットも動画付きで作成しておりますので、是非ご活用ください。 (fe4f8630c8f8b1a82e427f855a07191a.pdf (fukujuji.org)

第3回びまん性肺疾患研究会で発表した際にいただいた質問

こんにちわ、0083です。

9/30に開催された第3回びまん性肺疾患研究会で「器質化肺炎における無治療改善例の特徴」という演題で発表してきました。

発表の内容は、特発性器質化肺炎(COP)の無治療改善群をステロイド投与群と比較し、無治療群ではCRPが低く(CRP≤3.79mg/dL)、症状出現から診断までに期間が長いなどの特徴がありました。

その内容はこちら↓で論文化しています。

ちなみに当ブログでも内容紹介してますので気になるかたはコチラへ。

当研究では再発についても検討しており、ステロイド群では4例(17.4%)で再発を認め、全例でステロイド治療を要しました。一方で無治療改善群では1例(7.1%)のみが再発し、再発時も無治療で改善しました。

その中で、座長の先生から「再発時も同様の特徴がありましたか?」という質問をいただきました。

しかし恥ずかしながら再発時の検査データを調べていませんでしたので「持ち帰って検討させてください」と勝手に宿題にさせていただきました。

発表後に調査した結果、無治療改善群で再発した1例はCRP 0.43mg/dLでした。

ステロイド群の再発した4例はそれぞれCRP 43.1mg/dL, 4.24mg/dL, 7.72mg/dL, 1.26mg/dLで、3例がCRP>3.79mg/dLと再発時も高値でした。

座長の先生、当日答えられずすいませんでした!

0083の論文がScientific ReportsにPublishされたってよ -Analysis of the utility of transbronchial lung biopsy culture under endobronchial ultrasonography with a guide-sheath-

こんにちわ、0083です。

今日も今日とて論文紹介のお時間でございます。

さて今回、掲載された論文はこちら!

(doi: 10.1038/s41598-023-43078-x.)

皆さん、組織培養ってどうしてます?

特に気管支鏡検体での組織培養の精度は低く意味がないのではと言われてます。しかし近年ガイドシースが開発され病変部からの検体採取がより確実にできるようになりました。

そこでガイドシース下で採取した検体で組織培養を行った31例を対象に、検査精度を検討しました。

31例のうち11例(35.5%)で組織培養が陽性であり、NTM5例、TB1例、アスペルギルス症2例、肺膿瘍2例、肺炎1例であった。

しかし気管支洗浄+器具洗浄の陽性率よりも有意に低く(p=0.016)、気管支洗浄+器具洗浄が陰性でかつ組織培養が陽性であったのは1例のみであった。

TBLBでの組織診で有効な所見(肉芽腫、糸状菌、膿瘍が認められた場合)と組織培養を併せても気管支洗浄+器具洗浄の陽性率と有意な差は認めなかった。

ちなみに病変のサイズや抗酸菌かそれ以外の菌かなどでも差はなかった。

以上の結果から、GS下であってもTBLBの組織培養の検出率は低く、気管支洗浄や器具洗浄をしっかりやる方が重要でした。

NYU(ニューヨーク大学)の病院(NYU Langone Health)を訪問しました

疫学を勉強し始めた際、参考にした論文の中にはニューヨークのデータを取り上げているものもありました。近年、NTMの罹患率が高まっているという報告が増えています。先日、NYUのNTMと気管支拡張症の専門家の方々のご厚意により、診療の現場を見学させていただきました。NYU Langone Healthは、アメリカで医療研究、教育、治療の面で非常に評価が高い施設です。

共通の認識を再確認できた部分も多く、また、新たな知見や違いを学ぶこともできました。施設の方々が丁寧に紹介や解説をしてくれ、その機会は非常に貴重でした。実際に、評判通り、臨床研究や基礎研究が盛んに行われている施設で、大変刺激を受けました。

ここは診察室隣にある各Drのオフィス

診察室からの景色

ニューヨークは東京より水がおいしくて驚きました。高い水を買う必要なし。

もしかしてニューヨークで罹患率が高いのは、、、!

Basavaraj先生と