0083の論文がAging Clinical and Experimental ResearchにPublishされたってよ -Comparison of the Thickness of the Erector Spinae Muscles between Aspiration Pneumonia and Bacterial Pneumonia Patients-

こんにちわ、0083です。論文紹介のお時間です。

今年8本目の論文はこちら!

(Aging Clin Exp Res. 2023 Sep 7. doi: 10.1007/s40520-023-02542-4.)

以前にTh12レベルの脊柱起立筋の厚さ(ESMT)が面積(ESMCSA)と相関し、ADLの評価として簡便な方法であることを報告しました。

さらに筋肉の厚み(ESMT)が薄いと肺結核の予後が悪いということを示しました。
今回、脊柱起立筋の厚さ(ESMT)と誤嚥性肺炎の関係を調査しました。

誤嚥性肺炎の発症は骨格筋量と関係していると言われています。筋肉量の評価は筋肉の面積を使用することが多いのですが、これがとても煩雑で時間もかかります(1例5-10分くらい)。

一方で筋肉の厚さ(ESMT)であれば長さを測るだけなので1例10秒程度しかかかりません。

そこで脊柱起立筋の厚さ(ESMT)が誤嚥性肺炎の発症に関係するのかを検討するために、164例の誤嚥性肺炎と480例の細菌性肺炎を収集しました。

その結果、脊柱起立筋の厚さ(ESMT)は面積(ESMCSA)と有意に相関し(r=0.908, p<0.001)、両方とも誤嚥性肺炎の症例で有意に低値でした。

 ESMT (median 17.1 mm vs. 23.8 mm, p<0.001)

 ESMCSA (median 671.8 mm2 vs. 1057.0 mm2, p<0.001)

ROC曲線を用いて誤嚥性肺炎の診断に対する脊柱起立筋の厚さ(ESMT)の精度を検討したところ、AUCは0.806(95%Cl 0.766-0.845)と高く、カットオフ値をESMT≤20.85mmとしたところ、感度81.1%、特異度70.4%、オッズ比10.2(95%CL 6.49-16.3)でした。

その他、多変量解析で有意差を認めた項目はBMI、呼吸器疾患の既往歴、認知症、パーキンソン病/症候群、抗精神病薬の内服、喫煙歴、CERB-65、CRP、アルブミンでした。

   

以上より、脊柱起立筋の厚さ(ESMT)は簡便に筋肉量を評価でき、誤嚥性肺炎の診断に役立つことが示されました。

好酸球性胸水に再現性はあるのか?

こんにちわ、0083です。お久しぶりのびぼろです。

胸水中の好酸球比率が10%を超える例は好酸球性胸水と定義されます。原因として悪性疾患、気胸、薬剤など多数の疾患で報告されています。

その好酸球性胸水ですが、複数回の穿刺を行った際に好酸球性胸水の再現性が得られないことがしばしばあるように思います。つまり、初回の穿刺で好酸球性胸水を認めたのに、2回目の穿刺では好酸球が10%以下になっているといった例です。

まさかそんなこと調べている人いないだろうなぁと思って調べたら何とありました!

(Eur Respir J . 2009 Nov;34(5):1111-7.)

・胸水穿刺を行った1868例のうち135例で好酸球性胸水を認めた。内訳はmalignancy (34.8%)、infectious (19.2%)、unknown (14.1%)、post-traumatic (8.9%)、miscellaneous (23.0%)。

・癌性胸水は好酸球比率が40%以下のことが多かった。

・そのうち繰り返し穿刺を行ったのは40例で、16例が繰り返し好酸球性胸水を認め、10例が1回目のみ好酸球性胸水であった。14例は2回目以降の穿刺ではじめて好酸球性胸水を認めた。(原因疾患の記載なし)

   

他の文献(Respiration . 2003 Jan-Feb;70(1):82-6.)では、18例の好酸球性胸水のうち12例(66.7%)で2回目以降の胸水中好酸球は10%以下に低下した。これらの症例には気胸や胸腔鏡後は含まれていなかった。

   

以上より、初回に好酸球性胸水を認めた症例の38.5-66.7%で繰り返しの穿刺で胸水中好酸球が10%以下になるとのことでした。やはり好酸球性胸水は再現性がなくてもおかしくないようです。

ただどんな症例で好酸球の変動が起こりやすいのかは不明でした。

      

一方で、癌性胸水においては繰り返しの穿刺で炎症性サイトカインの放出が増えるため、繰り返しの穿刺により好酸球性胸水になる頻度が増えるという報告もありました。(Chest . 2003 Apr;123(4):1188-95.)

PCP対する低用量ST合剤の有効性、安全性について

EBの副作用に対して、低用量での有効性を当院から報告しましたが、PCP治療(ST合剤)も副作用で悩まされますね。亀田総合の中島先生のチームからの報告です。

用量についてなど、倉原先生が紹介、解説されていますのでこちらをご覧ください。https://pulmonary.exblog.jp/30413135/

日経メディカルオンラインにインタビュー記事が掲載されました!

こんにちわ、0083です。

すでにブログで記事になっていますが、なんと、自分のインタビュー記事が日経メディカルオンラインに掲載されました❗️❗️しかも前編、後編に渡る超大作!

インタビュアーはブログ「呼吸器内科医」でもおなじみ倉原優先生です。

自分なんかで良いのかと自問しながら、論文を多く作成する秘訣をお答えさせていただきました。

倉原先生の文章力が素晴らしく、めちゃくちゃ面白い記事になってます。登録が必要ではありますが、ぜひ読んでみてください。

それでは腹筋崩壊の前編と涙腺崩壊の後編をお楽しみください!

   

第一弾「なぜこんなに多くの論文が書けるんですか?」(前編)

   

第二弾「年10本の論文を書く医師の至言」(後編)

色々な人に助けられて「今」がある by 下田真史

■倉原優の「こちら呼吸器病棟」 インタビュー◎結核予防会複十字病院呼吸器内科の下田真史氏に聞く(前編)「なぜこんなに多くの論文が書けるんですか?」より。

「倉原連載史上、類を見ない渾身の力作。自分で言うのもアレですが、めちゃくちゃ面白いと思います。下田真史先生、ありがとうございました。「原著論文をこれほど量産する下田医師とは、一体何者なのでしょうか。その正体を明らかにすべく、ご本人に直撃インタビューをしてみました」