間質性肺炎診療に役立つ知識:4月末に発表されたIPF、PPFガイドラインの全訳です(by Dr. 田中)

これは助かりますね!

PPF(progressive pulmonary fibrosis):進行性線維化がみられるILDの名称:PF-ILDはガイドラインには選択されませんでした。IPFはクライオ生検が条件付き推奨になったこと、制酸薬が条件付き推奨から反対にかわったことなどが記載されています。

ブログ「呼吸器内科医」で藤原医師筆頭論文を紹介して頂きました。人人感染リスクについてコメント。

https://pulmonary.exblog.jp/29945950/?fbclid=IwAR3NZD2Ndl04JNDRnx1-VKdLTxGkzyMNyuL_rCa4B5Mr0BlZHxuDe1VLifk

昨日、著者本人が解説した論文について、倉原先生が分かりやすく取り上げてくれています(私の周りはざわつきます。先日のDr. Shimodaに続いてDr. Fujiwaraも照れてます笑)。M. abscessus speciesの基礎、臨床、新薬開発に関係する論文はとても増えています。世界的動向に後れを取らないように日本のデータを示していく必要があると感じています。

NTMは変異を繰り返してM. kansasiiのような病原性が強い菌が出現し、さらに、人人感染する結核が出てきたと考えられています。一方で、M. kansasiiはRFPに、TBはINH, EBにも感受性を示しますので、感染性をあげることは、その耐性を下げる、と考えています。(最近のコロナは、感染性をあげるけど重症化しない、というものですが何かを「捨てる」という意味では印象が近いですね。)。M. abscessusはどうでしょう。erm gene抱えたまま感染性を強めてもらっては困りますね。

追記) 考えてみると、Papworthではrrl耐性が問題になりましたね。。ermでなくてrrlであれば菌側の負荷が少なくてevolutionし得るか。。

藤原先生筆頭の論文「Potential Cross-Transmission of Mycobacterium abscessus among Non-Cystic Fibrosis Patients at a Tertiary Hospital in Japan」がPublishされました。

かつてVNTR解析で臨床との関連を解析した研究で、VNTR一致例が認められたことがきっかけで始まったプロジェクトです(感染研、結研との共同研究)。タイトルがキャッチ―ではありますが、数はわずかで、疫学的関連も明らかではありません。

筆頭の藤原先生による解説です。吉田先生とダブルファーストです。

嚢胞性線維症(CF)患者におけるMycobacterium abscessus(M. abscessus)の交差伝播の可能性はしばしば報告されていますが、アジアの非CF患者で同様の事象が発生しているかどうかは明らかではありません。そこで、複十字病院におけるM. abscessusの交差感染の可能性を検討しました。M. abscessus104株中、VNTRプロファイルに基づいて4つのクラスターに分類された25株(24患者)に対して全ゲノムシーケンシング(WGS)を行いました。英国と米国で過去に報告された院内アウトブレイク関連M. abscessus臨床分離株のWGSデータと統合して解析し、さらに患者間の疫学的関連性も検討しました。解析の結果、8つの伝達性クラスター(TC)が同定されました。英国と米国の分離株はそれぞれ4つのクラスター(TC1、TC2、TC5、TC8)および1つのクラスター(TC3)に割り当てられました。当院の分離株12株は4つのクラスター(TC4,TC5,TC6,TC7)に割り当てられました。疫学的解析の結果、TC4とTC5では当院内での患者間の直接・間接感染が疑われましたが、TC6とTC7では認められませんでした。TC5には日本患者と英国患者の分離株が含まれ、その間のSNP距離は21以下でしたが,接触機会は同定できませんでした。本研究により、感染経路は不明だったためヒトーヒト感染の明確な根拠は示すことはできませんでしたが、非CF患者でも遺伝的に近縁な分離株が存在することが明らかになりました。今後もさらなる研究が必要であると考えます。

外科センター長の白石先生が会長を務める地方会の募集が始まりました!

コロナが落ち着いて現地で議論できると良いですね。

第182回日本結核・非結核性抗酸菌症学会関東支部学会
第251回日本呼吸器学会関東地方会の演題募集につきまして、下記の通りご案内申し上げます。

・演題募集期間:2022年5月12日(木)~6月16日(木)正午
・応募方法:下記WEBサイトよりご応募ください。
https://www.kekkaku.gr.jp/ntm/no182/

是非演題登録をお願いします!

外科の先生からの発表も楽しみです。

臨床呼吸器教育研究会 CREATEサマーセミナー 2022 初期研修医のための呼吸器教室 が開催されます

亀田総合病院 呼吸器科部長の中島啓先生が主催されている呼吸器内科の教育グループCREATE(クリエイト)(=臨床呼吸器教育研究会)のサマーセミナーが6月12日に開催されます.

初期研修医を対象としたセミナーで,教育病院の熱い指導医陣から,呼吸器コモンディジーズについて全般的に学ぶことができます.

今回,私も世話人として加えて頂きましたので、微力ながら貢献していきたいと思っています。

興味のある初期研修医の先生は是非ご応募下さい.

後期研修医以上の先生も参加可能です.

申込みサイトはこちら

https://bit.ly/3LrvydE

東アジアのM. abscessusの分子疫学状況を分析した論文がPublishされました(吉田先生筆頭です)

ケンブリッジのチームによる発表がきっかけとなった、M. abscessus世界流行株について、新たな知見を加えた研究と言えます。予防会からは当院と研究所が参加しています。様々Discussionしたものが形になってうれしい限りです。筆頭著者の吉田先生(感染研)による解説です!!。

Microbiol Spectr. 2022 Apr 21:e0057122. doi: 10.1128/spectrum.00571-22. Online ahead of print.PMID: 35446117 

Mycobacterium abscessus complex(MABC)症は、先進国を中心に世界中で患者が増えている非結核性抗酸菌症である。特に、欧米に多い嚢胞性線維症(cystic fibrosis:CF)患者からは、特定の系統のMABCが優先的に単離され、ヒト−ヒト感染を示唆する報告も出ている。一方、CF患者が非常に少ない東アジア地域では、MABCの疫学的理解が不足していた。そこで我々は、日本(東京および沖縄)および台湾(台北)に位置する4施設において、治療開始前の非CF患者220人からMABCを分離し、全ゲノムデータを取得して解析した。220株のうち、112株 (50.9%)、105株(47.7%)、3株(1.4%)がM. abscessus subsp. abscessus(ABS)、M. abscessus subsp. massiliense (MAS)、M. abscessus subsp. bolletii (BOL)だった。ABSの50%以上とMASの70%以上が4つの系統に属しており、これらは日本・台湾の非CF患者から優先的に単離される系統であると考えられた。また、獲得マクロライド耐性の原因となる23S rRNA遺伝子の変異は稀(1.4%)であり、4つ主要系統のいずれにも集積していなかった。逆に、erm(41)T28C変異(Erm(41)が機能せず、マクロライド感受性を示す)は、主要なABS系統のひとつに集積していた。また、最も多かったABS系統は、以前CF患者で報告された世界的流行株(dominant circulating clone: DCC)1と遺伝的に関連していた。一方、DCC2と関連した株は一株もなく、DCC3に関連する株は今回のサンプルセットでは必ずしも優勢とは言えなかった。さらに、erm(41) T28C変異株は世界中に拡散しており、そのうちの一部が点変異や組換えによって機能的なerm(41)遺伝子を再獲得していることもわかった。本研究により、日本・台湾の非CF患者における主要なMABC系統が明らかになり、それらとCF患者における世界的流行株との関係が明らかになった。今回の結果は、CF患者あるいは非CF患者から分離される株の遺伝的特徴や、世界的に広がる株と地域特異的な株の違い、宿主内でのMABCの適応進化を明らかにするための、さらなる研究の助けとなると思われる。

放射線科の竹内先生が喀血に関する教育講演をしました。

ちょっと前のことでしたがアップし損ねていました。

喀血は緊急入院が必要になることが多いです。特に、非結核性抗酸菌症、アスペルギルス症を専門にしている当院では、BAEが治療選択肢として重要な役割を占めています

竹内先生は放射線科で肺のIVRを専門にしています。放射線学会総会で教育講演とは!

0083の論文がOxford Medical Case ReportsにPublishしたよ -A rare case of COVID-19 pneumonia with severe hyperlipoproteinemia-

問わず語りの神田伯山の面白さを分かち合いたい皆さん、こんにちわ。0083です。

そうです。この気配は2連続の論文紹介です。

今回の論文はCOVID-19肺炎後に著明な高TG血症を呈した症例報告です。

なんとTG 8000台!

膵炎や肝障害はなく不幸中の幸いでした。

COVID-19肺炎にステロイドを使用していましたがさすがにそれだけでは説明つきません。

コロナのパンデミックに伴い摂取カロリーと飲酒量が増え、さらにコロナの後遺症の味覚障害によりさらにお酒の量が増えた事が関係していました。

実際にヨーロッパの論文で、コロナ流行によりライフスタイルが変化して、飲酒量と摂取カロリーが増えていると報告されています。

コロナは時に思いもよらない影響を及ぼします!

0083の論文がJournal of Infection and Chemotherapyにpublishしたよ -Usefulness of Gastric Aspirate for the Diagnosis of Smear-negative Pulmonary Tuberculosis-

千里の道も一歩からなんだけどその後二歩目三歩目とずっと続くんだよなぁと先を見通す目をお持ちの皆さま、こんにちわ。0083です。

日本感染症学会の英文誌である通称JICにnoteを載せてもらいました!

今回のネタは肺結核診断に対する胃液の有用性についてです。

喀痰抗酸菌検査で診断がつかない、または喀痰が得られない症例には胃液による抗酸菌検査を行うことがあります。しかし胃液検査は感度が低く、過去には胃液検査単独での診断例がなかった事からその有用性を否定する報告もあります。そこで当院で胃液検査を行った症例を集積し、その有用性を検討しました。

513例の症例(うち肺結核203例)で検討したところ、塗抹は結核診断に対し感度21.2%、特異度91.9%、PCRは感度55.8%、特異度99.6%、培養検査は感度71.4%、特異度100%でした。

次に胃液を含む3回の抗酸菌検査と3連痰の累積診断率を比較しました。

(論文中のFigureを改変して掲載しています)

赤線が胃液を含む検査で、青線が3連痰です。

1回目の喀痰検査では58.5%の診断率で、次に胃液検査を行ったとすると診断率は83%に上がり、喀痰2回を繰り返した場合の診断率が75.5%であり、胃液検査を含めた方が有意に高い診断率を示しました。同様に3回の抗酸菌検査の中に胃液を含めた場合の診断率は87.4%であり、3連痰の診断率は79.2%でした。よって胃液を含めた検査の方が高い診断率が得られました。

以上より、胃液検査は喀痰抗酸菌塗抹陰性、または喀痰が得られない症例で有用でした。

   

ちなみにこの内容は日本内科学会総会で優秀演題賞をいただきました!

Up to Dateシリーズの新刊 気管支拡張症 が出版されました。

気管支拡張症は日本ではorphan disease ですが、世界的にはとても注目され盛んに研究されています。

日本でもしっかりと関心を持ってもらえるように取り組んでいきたいです。

呼吸器学会総会に間に合い、書籍コーナーに並んでいました。感慨深い。著書の皆さまの熱意が伝わってくる、読み応えのある内容になっています。執筆下さった先生方に心から感謝申し上げます。

多くの呼吸器疾患で、特に重症例に認める所見であり、気管支拡張症を通して新しい視点から各疾患を学ぶ事ができます。ベテランの先生にもオススメです。

びっくり。。