結核・肺疾患予防のための複十字 no403から   次世代シークエンサーの動向と結核研究:生体防御部土方部長執筆

これを駆使するバイオインフォマティシャンの需要はとても大きいと思います。

次世代シークエンサーは研究所に5-6台はあり、菌だけでなく、宿主因子研究でも身近になりました。

ナノポアが実臨床にどこまで近づくのか、、もう少し様子見の状況ではありますね。

https://fukujuji.home.blog/wp-content/uploads/2022/02/e382b9e382ade383a3e383b3-2022-02-27-23.34.pdf

上杉先生が第248回日本呼吸器学会・第181回日本結核/非結核性抗酸菌症学会関東支部会で症例を発表しました

感受性結核を治療した後に、多剤耐性結核で再発した症例です。

全ゲノム解析と経過から、外来性再感染よりも、重複感染を疑う経過と判断している、とまとめています。

私の知る限り、共同演者は業務でサポートできず、、お疲れさまでした!!

意外な肺疾患シリーズvol.4 -サックスHP-

意外な肺疾患シリーズ第4弾。

過敏性肺炎(HP)の稀な原因の1例です。

趣味としてサックスを演奏していた48歳男性。

外科的肺生検を含めHPと診断されました。その原因抗原がサックスとの事!

サックスのマウスピースとcasket(どこ?)からUlocladium botrytisとPhoma spが検出され、血清との沈降抗体が検出されました。

追加で15本のサックスを調べたところ、13本で菌が培養され、Fusarium sp、Penicillium sp、Cladosporium spなどが培養されました。

   

サックスに限らず金管楽器って楽器内に唾液貯まってますよね。使用後の手入れが大事というのが良く分かりました。

ただ楽器って吹くものじゃないですか。でもHPは吸入して起こすもので、そこら辺の考察はなかったです。

ブレスした時に周囲の空気と共に菌を吸い込むのか、演奏によって環境中に菌が散布されるのか。

実に面白い、、、

   

あと木管楽器はどうなんでしょう?

金管よりカビ生えそうですが、、、

tree in bud appearance の解説用写真が撮れる季節ですよー

まだ寒いですが、こちらの写真は2週間前の清瀬の梅林で撮ったものです。

呼吸器科医ならわかりますが、、これです。

AJR:193, December 2009

レクチャー用を準備する先生は、タイミング逃さないでくださいー笑 もちろんこちらどうぞお使いください。

ちょっと大きいかな。

組織培養ってどうよ?

パンはパンでも食べるためのパンを食パンと言うなら俺が大好きなメロンパンはメロンの香りがして美味しいパン。こんにちわ、0083です。

   

という訳で、久々のびぼろです。

今回は気管支鏡検査での組織培養についての論文を読みました。

組織培養は胸膜、皮膚、骨などの組織では一般的ですが、気管支鏡検体での組織培養はルーチンに行いません。

   

この論文では、12例の塗抹陰性肺結核疑い症例に対し気管支鏡検査を行って組織培養を行いました。

組織培養で陽性になったのは16%で、他の論文でも20-41%と報告されていました。

かなり低いですね。

   

かなり昔の論文なので最近の論文を調べたのですがあまりヒットしません。一応、MACの報告で28.9%という記述を見つけました。

(Clin Respir J. 2017 Nov;11(6):1018-1023.)

   

conclusionとしては、経気管支肺生検の組織培養は気管支洗浄やBF前後の喀痰検査による診断にほとんど影響を与えない、、、と。

   

マジかwww

Infectionにアクセプトされた論文の解説です。

筆頭の渡辺先生が執筆しています。

有名な倉原先生のブログに紹介して頂きました。https://pulmonary.exblog.jp/29829635/

低用量エタンブトールについて

【背景・目的】

肺MAC症において、クラリスロマイシン・アジスロマイシンは中心的な治療薬であり、エタンブトールはこれらに対して耐性化させない観点から非常に重要な薬剤です。しかしながらエタンブトールによる視神経障害は特に注意が必要な副作用であり、日本結核・非結核性抗酸菌症学会、日本眼科学会、日本神経眼科学会の3学会合同で「エタンブトール投与に際して行うべき眼科的副作用対策」の提言が発出されました[1]。

 エタンブトールによる視神経障害は明確な用量依存性があり[2,3,4]、現行のガイドライン推奨用量は15mg/kg/dayとなります。しかし高齢患者が多く治療期間が1年以上と長い肺MAC症治療においてこの用量でも視神経障害の副作用が認容されないケースも多々ありました。2021年にAndo先生らの報告においては現行の推奨用量よりも少ない12.5mg/kg/dayとすることで視神経障害を有意に減らしつつ、陰性化失敗率・画像所見・マクロライド耐性化の観点から効果が劣らなかったとする報告がありました[5]。複十字病院においても、エタンブトールを15mg/kg/dayよりも減量して投与することがあるため、効果が劣っていないか後ろ向きに調査することにしました。

【方法】

 複十字病院において2016年から2020年3月までに新規に肺MAC症と診断され、1年以上治療が継続できた146例のカルテ情報を収集しました。エタンブトール1日投与量12.5mg/kg/day以上の高用量群とそれ以下の低用量群に分けて臨床アウトカム(培養陰性化率、微生物学的治癒率、マクロライド耐性化率、副作用発現率、再発率)を比較しました。

【結果】

 146例中でエタンブトール高用量群は42例、低用量群は104例でした。125例で培養陰性化が得られ、90例で微生物学的治癒が得られ、16例の再発が確認され、マクロライド耐性化は確認されませんでした。エタンブトール高用量群と低用量群で培養陰性化率(P=1.00)及び微生物学的治癒率(P=0.67)に有意な差は認められませんでした。

 多変量ロジスティック回帰分析を用いて培養陰性化、微生物学的治癒、再発に対する予後予測因子を検討したところ、下記に示す因子が同定されましたが、エタンブトールの投与量は予後予測因子として同定されませんでした。

培養陰性化:治療前喀痰塗抹陽性(調整OR:0.48, 95%CI:0.29-0.80)

微生物学的治癒:治療前喀痰塗抹陽性(調整OR:0.52, 95%CI:0.37-0.74)

TIWレジメン(調整OR:0.60, 95%CI:0.41-0.87)

再発:有意な予後予測因子は同定されず

【考察】

 今回の調査のポイントは、エタンブトールを減量投与してもマクロライド耐性化が確認されなかったことであると考えています。エタンブトール単剤ではMAC症に対して治療効果は確認されておらず、キードラッグであるマクロライドに対する耐性化を抑えることが重要となります。海外ではエタンブトール自体に効果を期待して増量しようとする議論がありますが[6,7]、国内においては、耐性化を抑えられていれば敢えて増量する必要は無いという見方が強いと感じています。

 また、今回の多変量解析において「TIWレジメン」が独立して微生物学的治癒のオッズ比を低下させた結果となりました。この点については予期していませんでしたが、意外という印象は受けませんでした。これまでTIWレジメンは、菌陰性化率については連日投与レジメンと同程度であることが示されていましたが、より長期的な微生物学的治癒への影響を調べた報告は無いように思います。有害事象を減らす点で有用なレジメンですが、1週間あたりの総投与量は連日投与レジメンと比べると少なくなってしまいます。このことが寄与したのではないかと考えておりますが、後ろ向き研究であることから、この点に関しては更なる検討が必要であろうと考えられます。

【引用】

  1. https://www.kekkaku.gr.jp/wp-content/uploads/2021/12/a37fafac6de4b4b8118c4882108127be.pdf
  2. Fraunfelder FW, et al. Update on ethambutol optic neuropathy. Expert Opin Drug Saf. 2006;5(5):615–8.
  3. Citron KM, et al. Ocular toxicity from ethambutol. Thorax. 1986;41(10):737–9.
  4. Chan RY, et al. Ocular toxicity of ethambutol. Hong Kong Med J. 2006;12(1):56–60.
  5. Ando T, et al. Lower dose of ethambutol may reduce ocular toxicity without radiological deterioration for Mycobacterium avium complex pulmonary disease. Respir Investig. 2021 Nov;59(6):777-782.
  6. Deshpande D, et al. Ethambutol optimal clinical dose and susceptibility breakpoint identification by use of a novel pharmacokinetic-pharmacodynamic model of disseminated intracellular Mycobacterium avium. Antimicrob Agents Chemother. 2010 May;54(5):1728-33.
  7. Ruth MM, et al. Standard therapy of Mycobacterium avium complex pulmonary disease shows limited efficacy in an open source hollow fibre system that simulates human plasma and epithelial lining fluid pharmacokinetics. Clin Microbiol Infect. 2021 Jul 28:S1198-743X(21)00407-9.

「Global TB Report 2021 について」 予防会 国際部 菅本鉄広先生執筆

「COVID19の世界的流行は、結核への取り組みにおける長年の世界的な進歩を逆戻りさせ、2005年以降で初めて結核による死亡数が増加しました。2020年には2019年と比較して、結核で亡くなる人が約10万人増加し、診断、治療、または結核予防治療を受けている人ははるかに少なく、重要な結核サービスへの全体的な支出も減少しています」

日本では、このような状況下でも保健所の頑張りで比較的サービスが保たれているとは感じています。

これから数年の動向に注目です。

https://fukujuji.home.blog/wp-content/uploads/2022/02/e382b9e382ade383a3e383b3-2022-02-05-15.47.pdf

吉山先生執筆の「結核医療の基準」の一部改正について 

審査会でみていると、まだ、HRやRを最初から投与している症例は見ていません。

LTBI治療を行うのは、呼吸器か膠原病ですね。

RFP4か月は併用薬との相互作用などで避けられている部分もあるかもしれません。

MDR-TB治療については、日本の状況はかなり複雑であることが分かると思います。今後、海外出生者のMDR-TB治療を行うときに、ギャップが生じないといいですね。

フルオロキノロン+ベダキリン+デラマニドのパターンが多いと思いますので、データが示されていくといいと思います。

https://fukujuji.home.blog/wp-content/uploads/2022/02/e382b9e382ade383a3e383b3-2022-02-05-8.26.pdf

オンラインで勉強会を行いました。

レクチャー1つ、進捗発表3つ、計画1つ、と今回も盛り上がりました。

こちらは倉島先生のレクチャーから。1400例、、って。

ディスカッションから、いくつか新しい

研究テーマが出てきました。