勉強会ーハイブリッドでやっています。

便利なシステムを病院が作ってくれているので、勉強会は負担なく続けられています。

研究所に国内留学されている鎌田先生が加わり、今回は現地6名、Web3名と規模も少し大きくなりました。

参加者全員が発表するのでかなりのボリュームになります。

勉強とともに将来のアウトプットのために、良い議論できました。

柳瀬川や全生園の桜も満開のようです。

清瀬FBでは柳瀬川や全生園の桜が沢山アップされています。

コロナ新規診断数が増えていて、束の間の、、ですね。変異株の影響も懸念されます。

3と4は後日アップしますね

胸水のスコアびぼろ(1)

スコア大好き協会の皆さん、こんにちわ。0083です。

みんな、スコア大好きですよね。

0083はスコア大好きなんで症例集めたらすぐにスコア作ろうとしてしまいますw

という事で、今日はADAを含めたスコアをびぼろします。

   

まず、一般的に胸水中のADAは結核性胸膜炎の診断に有用だと言われており、ADA≥40 U/Lで感度92%、特異度90%と報告されています。(Liang QL et al, Respir Med 2008;102:744–54.)

   

   

①結核性胸膜炎 vs 肺炎随伴性胸水

結核性胸膜炎の診断に対して胸水LDH/ADA <6.20で感度93%、特異度62%

※ADAはmeian 33.5 U/L (range 4.5–75.9) vs median 43.3 U/L (range 2.0–344.1), p=0.249 と有意差なし

(Wang et al, BMC Pulmonary Medicine (2017) 17:168)

   

   

②癌性胸膜炎 vs 結核性胸膜炎or肺炎随伴性胸水

癌性胸膜炎の診断に対してLDH/ADA>20で感度98%、特異度94%

※ADAは癌性胸膜炎でmedian 10 U/L (range 4–69.3)、 結核性胸膜炎でmedian 45.15 U/L (range 11.7–81.4)、74.95 U/L (range 4–170)

(Akash Verma et al, Lung (2016) 194:147–153)

   

    

③IgG4関連胸水 vs 結核性胸膜炎(自分の論文ですいませんw)

IgG4関連胸水の診断に対して胸水ADA/TP<15で感度93.8%、特異度72.5%

※ADAはmedian 55.7 U/L (IQR 42.3–71.6) vs median 83.9 U/L (IQR 60.4–109.4)

(Shimoda M et al, Medicine 2021;100:11(e25162).)

    

    

そしてここ大事だと思うのですが、何と比べてのスコアなのかを把握する事!

例えば、①と②のスコアで結核性胸膜炎だと思っても、膠原病やPEやMeigsとか稀な胸水の鑑別はできていません。

そもそもADA>40の鑑別もメインは癌性胸水、感染性胸水で、稀な胸水は少数例がその他としてまとめられているか、原因不明例として含められている事が多いようです。

スコアは大好きだけど、その元々の作られ方にも注意が必要ですね。

   

      

番外編:癌性胸膜炎の症例でADA<15 U/L or >40 U/Lだと死亡率高い

(Ricardo Mingarini Terra et la, Lung (2016) 194:681–686)

なんで低いと高いの両方がリスクなん?うーん、ホンマかいな

満開です!

清瀬のFBグループでも素晴らしい写真が沢山アップされています。

下は教会前の枝垂れ桜です。

残念ですが、別れの時期でもあり内科外科から一人ずつ異動した先生がいます。

どちらも将来有望な若手です。学会などで再会できるのを楽しみにしたいと思います。

間質性肺炎診療に役立つ知識

Nintedanib and immunomodulatory therapies in progressive fibrosing interstitial lung diseases

Cottin V. et al.  Respir Res (2021) 22:84 https://doi.org/10.1186/s12931-021-01668-1

Background

慢性線維性間質性肺疾患(ILD)の進行性の表現型をもつ患者を対象としたINBUILD試験では、ニンテダニブはほとんどの患者で管理可能な有害事象の範疇でILDの進行速度を低下させた。 ニンテダニブの有効性と安全性に対する免疫調節療法の潜在的な影響を調査した。

Methods

特発性肺線維症以外の線維化ILDを有し、臨床診療での管理にもかかわらず過去24か月以内にILDの進行を示した被験者が、ニンテダニブまたはプラセボの投与に無作為化された。 特定の免疫調節療法は当初の6か月間制限されていた。 ベースラインでグルココルチコイド使用していたサブグループでの52週間にわたる努力肺活量(FVC)の低下率を事後分析し、制限された免疫調節療法または抗線維化療法の開始後に行われた被験者またはFVC測定値を除外して分析した。

Results

663人の被験者のうち、361人(54.4%)がベースラインでグルココルチコイドを服用していた(20mg /日以下の用量353人)。 プラセボ群では、52週のFVCの調整済み減少率(mL /年)は、ベースラインでグルココルチコイドを服用していない対象者よりも服用している対象者の方が数値的に大きかった(-206.4 [SE 20.2]対-165.8 [21.9])。 ニンテダニブ群とプラセボ群の差は、ベースラインでグルココルチコイドを服用している対象者では133.3(95%CI 76.6、190.0)mL /年、服用していない対象者では76.1(15.0、137.2)mL /年でした(相互作用P = 0.18)。 制限された免疫調節療法または抗線維化薬の開始後の対象者と測定を除外したFVC減少率の低下に対するニンテダニブの効果は、一次分析と同様であった。 ニンテダニブの有害事象プロファイルは、ベースライン時または試験薬による治療中に禁止または制限された治療法を使用した対象者と使用しなかった対象者の間で同様であった。

Conclusions

進行性線維化ILDの患者では、FVC減少の低下に対するニンテダニブの効果は、免疫調節療法の使用による影響を受けませんでした。 ニンテダニブは、進行性線維化ILDの患者に免疫調節療法と併用可能である。

コメント

IPFを除くPF-ILDは免疫抑制薬と抗線維化の併用で治療が行われることが多くなるため、免疫調節薬を併用してもニンテダニブの効果があること、併用しても単剤と比較して有害事象が問題にならないことが言いたい研究です。開始された薬の多くはステロイドです。

桃と桜

花より桃🍑

病院の桜も満開近くなりました

0083の論文がMedicineにPublishされたってよ -IgG4-related pleural effusion with high adenosine deaminase levels-

上上下下左右左右BAな皆様、こんにちわ。0083です。

毎度の事で恐縮ですが、dbcntm先生、論文のご紹介ありがとうございました。

では少しだけ内容を書かせていただきます。

IgG4関連疾患による胸水の症例報告です。

胸水中のADAが高値であり、結核性胸膜炎との鑑別が困難で、胸膜生検により診断しました。

過去の報告でもIgG4関連疾患による胸水はADAが高いとう症例報告があり、当症例を含めた22例と、当院で診断した40例の結核性胸膜炎を比較しました。

その結果、IgG4関連疾患による胸水のADAは中央値55.7U/L (IQR 42.3-71.6)と高値でしたが結核性胸膜炎より低値でした。

さらにIgG4関連疾患による胸水では胸水中のTPが高く、LDH、Gluが低い傾向がありました。

ADA/胸水TPの値による IgG4関連疾患と結核性胸膜炎の鑑別に対するROC曲線を作成したところ、AUC 0.909 (95%Cl 0.824-0.994)で、カットオフ値を ADA/胸水TP <15とすると感度 93.8% 特異度 72.5% Odds比 36.8 (95%Cl 4.67-1702.4)でした。

   

ちなみにこれをもとにした発表を第61回日本呼吸器学会学術講演会で行う予定です。

もちろんボカロで勝ち確ww

病理カンファレンスを行っています〜

コロナ、、急激に増えている印象を受けています。

今回もハイブリットで病理カンファレンスを行いました。

① シェーグレン症候群に胸水貯留を認めた症例。

② 関節リウマチでMTX治療中にびまん性陰影を認めた症例が提示されました。

③ 気腫合併間質性肺炎フォロー中に画像進展があり、ANCA陽性化を認めた症例

下田先生が症例を提示、黒崎先生が画像所見のコメントをしています。右は武村先生です。
胸膜生検時の胸腔内所見
武村先生による病理所見の解説

Webからは8人が参加してますー

大変勉強になりましたー

胸水貯留を呈したIgG4関連疾患のCase+review(TB pleuritiとの比較)。下田先生論文です!!

先日、0083が雑誌のwebで公開前にPubMedにアップされていたと紹介していた論文ですね。オープンアクセスになっていますshttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33726002/

覚醒の、、と書いていましたが、脅威の全力ダッシュが続いています笑

また、内容を紹介してもらいましょう!!

IgG4関連疾患自体は、消化器分野が有名ですが、呼吸器科では稀であり、診断も慎重に行う必要があります。