熱型を調べていたら

こんにちわ、0083です。

ちょっとだけ熱型について調べています。熱型とは時間変化での熱の変動を分類したもので以下のものがあります。

稽留熱:日内変動が1℃以内で38℃以上の高熱が続く

弛張熱:日内変動が1℃以上だが37℃以下に下がらない

間欠熱:日内変動が1℃以上で37℃以下に下がる

波状熱:有熱期と無熱期が交代して現れる

いやいや、そんなん常識よと思うかもしれません。

私も研修医のころに習ったのですが、ちょっと参考文献が欲しいなと思い、みんな大好きマクギーの身体診断学を開いてみました。

「稽留熱:この熱型では発熱が日ごとにほとんど変動せず、毎日の温度差が≦0.3℃(原文修正)」1)

いやいや、1℃だから!wikipediaにも書かれてるから!

しかし文献を探ってみても1970年代後半の論文がヒットし、0.3℃2)や0.6℃3)で定義していました。

しかも熱型は診断的意義は低いって書かれてて1-3)、そこから熱型の論文が見当たりません。

確かにマラリアや腸チフスとか特別な場合を除いて熱型が診断に役立った記憶がない、、、

私が探したなかで1をカットオフにしている文献は2011年のレビュー4)でした。ここで参考文献にしている書籍(Hutchison’s Clinical Methods, 21st edition, 2002)がありましたが、さすがにネットでは見れず手が出ませんでした。

んー1980年から20年で何があったんや!?

どっかに朝倉内科先生落ちてないかな。。。

   

1)スティーブン・マクギー. マクギーの身体診断学―エビデンスにもとづくグローバル・スタンダード: 診断と治療社; 2014. 85-142 p.

2)Arch Intern Med. 1979 Nov;139(11):1225-8.

3)Arch Intern Med. 1979Nov;139(11):1225-8.

4)J Infect Public Health. 2011 Aug;4(3):108-24.


藤原先生が筆頭論文について解説しています

Beyond Symptoms: Radiologic identification of asymptomatic Mycobacterium avium complex pulmonary infections

世界的に増加傾向にある肺NTM症は、近年、各国から多くの臨床研究が報告されています。国際ガイドラインの診断基準では、肺または全身症状があり、胸部画像所見でNTM感染が疑われる場合に微生物学的検査を行うことが推奨されています。つまり、国際的な診断基準を満たす肺NTM症患者は、何らかの症状を伴っていることを意味しています。一方、日本では画像所見と細菌学的基準を満たせば肺NTM症と診断され、必ずしも症状が必須ではありません。このため、日本で診療する医師は、画像所見が軽症は勿論、排菌量が多いにも関わらず症状がない患者に遭遇することが珍しくありません。本研究は、肺NTM症における無症状例の意義を明らかとするために、有症状例と比較検討しました。

欧米の専門家からは容易に受け入れられない可能性はありますが、学会や研究会で日本の先生方からのサポーティブな意見が励みになっています。

背景:国際的な肺非結核性抗酸菌症(NTM-PD)ガイドラインでは、診断時の症状の存在が強調されているが、無症候性Mycobacterium avium complex pulmonary infection(MAC-PI)患者の臨床的特徴については、まだ十分な研究がなされていない。

方法:2018年1月から2020年6月までに複十字病院で新たにNTM-PDの微生物学的および放射線学的基準を満たしたMAC-PI患者200例をレトロスペクティブに解析した。無症候性患者と症候性患者の臨床的特徴および経過を比較し、多変量解析により治療開始に影響する因子を評価した。

結果:診断時111例が症候性、89例が無症候性であった。その割合は症候性群(28.8%)より有意に低かったが、無症候性群患者の15.7%に空洞性病変が認められた(P = 0.042)。無症候群では、38例(42.7%)で治療が開始され、空洞病変、抗酸菌塗抹陽性、若年が治療開始の独立した危険因子であった。追跡期間中に治療が必要な病勢進行がみられた22例(57.9%)のうち、13例(34.2%)は症状の悪化を伴わない放射線学的進行であった。治療に使用された薬剤は群間で一貫しており、培養陰性化率、微生物学的再発率、自然培養陰性化率に有意差はなかった。

結論:定期的な健康診断と放射線検査は、症状がなくても臨床的に重要なMAC-PIを検出することができる。無症候性MAC-PI患者の臨床経過は有症状患者とほぼ同様であることを考慮すると、すべてのMAC-PI患者に対して適時適切な管理と介入が不可欠である。

伊藤先生が呼吸器ジャーナルの気管支拡張症特集に分担執筆しました。

気管支拡張症ー最近目にする機会が増えてきました(JRSのシンポジウムは素晴らしかったです)。

疫学と診断について執筆しています。

日本では、海外で”特発性”とされる症例が、NTM感染によって、”NTM”が原因疾患とされていると考えられるため、特に欧州との乖離が大きいと考えられます。

ー特発性にNTM感染

ーNTMが特発性(一次感染)として発症

(どちらも共通または特有の素因が先行していると考えられますが、両者を明確にわけての議論や証明は乏しいのが現状と感じています。これは日本で意識しておきたい点です)

一方で、NTM感染により、原因疾患があるにも関わらず、特定されずに”NTM”とされることは問題です。

以前こちらのブログで紹介した診断フローについても解説しています。

HOTの患者さんが安心して旅行に行けるように。

呼吸器学会の時にJ-BREATHのブースを訪問し、こちらを紹介頂きました。

患者さんから質問を受けることもありますが、海外旅行についてですと返答に困ることもあるかと思います。こちらはHOTの患者さんの旅行をサポートする体制について紹介している冊子になります。

下田先生、藤原先生、伊藤先生が呼吸器学会総会で発表しました。

下田先生は、伝説となる「ゲーマーは気管支鏡が上手い」を

藤原先生は、日本結核・非結核性抗酸菌症学会との合同シンポジウムでMABSについて

伊藤先生はEnglish Oral Presentationで発表しました。

この2人!(念のため:右は近畿の倉原先生です)prolific creatorという点で通じ合っているのでしょう笑

こちらは上山先生の発表内容です。共同演者含めると当院から13個の演題が出ていたようです。

私は、ポスター発表と座長をしました。

座長は長谷先生と2人で務めました。長谷先生とは大学同期で既にもうすぐ30年近く、、不思議な(記念に写真撮ってもらいました)。。

こちらでは下田先生の発表もあり、大変注目されました(写真とれず)。

日赤時代からの北村先生(神奈川呼吸器循環器)とも会場で話せました。

ポスターなこちらからどうぞ。

本邦レジストリ研究から:間質性肺炎に合併する肺高血圧についての論文がJACCにpublishされました。

著者の1人である、木村先生による解説です。

PHに対する薬物療法の進展はめまぐるしいものがあります。しかし、最新のGLにおいても呼吸器疾患を併存したPH患者(3群PH)に対する特異的PAH治療薬の使用は推奨されていません。一方で、2021年にはPH合併ILDに対する吸入トレプニスティニル誘導体の有用性がNEJMに報告されました。これを契機に米国FDAにてILD-PHに対する吸入トレプニスティニルが3群PHに対する治療薬として初めて認可となり、3群PHに対する新規治療法が話題となっています。

われわれは、これまでJRPHS (Japan respiratory PH Study)において、千葉大学田邊信宏先生を中心として、PH患者のレジストリ研究(前向き観察研究)を全国規模で行ってきました。このたび、3群PH に関する、全国30専門施設における2013年以来のレジストリ集積結果がJACC: Asiaにオンライン出版されました (Tanabe N et al. JACC: Asia. https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacasi.2024.01.009)。

間質性肺疾患において、呼吸機能障害が比較的軽度である重症PH症例(初回診断治療例)では、特異的PAH治療薬にてPHの改善が期待でき、予後改善をもたらすというデータです。対象患者は270例の間質性肺疾患患者(IP 192名およびCPFE 78名)で、初回治療(PHの確定診断時後2ヶ月以内に治療開始)と非初回治療群との予後の比較、治療反応性の有無等について多角的な解析が行なわれました。軽度の換気障害群(%FVC≧70%かつ%FEV1≧60%)を伴う重症PH群(PVR>5WU)においては、初回治療群にて非初回治療群より予後良好であることを実証しました(図6)。一方軽症(PVR≦5WU)のPH症例では延命効果は観察されませんでした。またPH重症度と換気障害重症度を組み合わせて4群に分類した各群の症例数は20-27%とほぼ同割合でしたが、重症PH群で軽度換気障害群を伴う群においては、治療反応性は48.1%と4群間で最も良好でした(図Central Illustration)。

論文は多数の図表から構成されていますが、代表的な2点を同論文から引用します。日常臨床に直結した重要な内容かと思います。関心がおありの先生方は是非ご一読いただければ幸いです。