当院リハビリテーション科の髻谷先生が監修した「上手な痰の出し方」が完成しました

気管支拡張症、肺NTM症など排痰が重要な患者さんは多いですが、排痰方法をどのようにするのか外来での解説資材が乏しい状況にありました。そこで、今回、リハビリテーション科科長の髻谷先生がパンフレットを作成しました。このパンフレットの特徴は、動画とリンクしていることです。ぜひご活用ください。(プリントアウト可、希望の方には限度がありますが郵送しますのでパンフレットに記載されたメールへ問い合わせください)

痰の性状を把握することも重要です。色を聞いたりするのは難しいですが、こちらの写真をつかって番号でカルテ記載することもできます。

0083の論文がRespiratory Medicine case reportにPublishされたってよ -Causative Antigens of Humidifier Lung in Vapor from a Humidifier: A Case Report-

こんにちわ、0083です。

人類にとって小さな1歩だが我々にとっては大きな1歩、てゆーかスタートラインの症例報告がPublishされました!

すでに森本先生にご紹介いただいておりますが、PubMedに収載されましたので解説含めて書かせていただきます。

(doi: 10.1016/j.rmcr.2023.101851. eCollection 2023.)

加湿器肺とは加湿器の水に発生したカビや細菌、エンドトキシンが原因となって発症する過敏性肺炎です。過去に多くの症例を収集し、その特徴が他の過敏性肺炎とは異なることを示しました。

加湿器の水の中に抗原を証明した報告は多数あるのですが、蒸気にも抗原が含まれているかを示す研究はありません。

そこで加湿器肺と診断した患者様の加湿器を使用し、貯留水と蒸気を採取して解析しました。

沈降抗体検査:水、蒸気ともに沈降抗体を検出し、蒸気の方が強い反応を示した。

メタゲノム解析:多数の共通する菌を検出した。その中でリード数の割合が多かったのは水、蒸気ともにSpirosoma lacussanchaeとSphingomonas sppであった。一方でPseudomonas spp.とAllorhizobium-Neorhizobium-Pararhizobium-Rhizobiumの割合は水よりも蒸気中に多く占められていた。

エンドトキシン、β-Dグルカン:水と蒸気でともに濃縮していた。

   

上記の結果より、加湿器の蒸気にも抗原が含まれており、蒸気の方が沈降抗体の反応が強かった事から、水よりも蒸気に多く濃縮された菌が抗原である可能性が考えられました。

呼吸器学会、感染症学会が同時開催…

金曜日は呼吸器学会の朝のセッション(国際フォーラム)に出てから、感染症学会のパシフィコ横浜ノースへ。Webで見ることができますが、演者は現地参加が基本に。梯子している先生を複数見かけました笑

感染症科でNTMを専門にしている先生は少ないですが、米国では半数がIDなので、感染症科医自体の増加とその中で興味をもって頂ける先生が増える事を期待しています。

土曜日はシンポジウムとコーヒーブレークセミナーで講演しました。会場収容人数の170% の入場ということで、正直酸欠気味でしたが、多くの先生に聞いて頂けて良かったです。気管支拡張症に対する関心が高まってきていると感じました。

日曜日はミニシンポジウムで発表、、頑張りました。

座長の千葉大の猪狩教授から貴重なコメントを複数頂きました。論文作成に活かしたいです。

時田先生の発表:完成度の高いポスターでした!

書籍も好評頂いている様子で良かったです。

伊藤先生が気管支拡張症に関する総説を書きました(臨床雑誌 内科:皿谷先生企画)

orphan diseaseとして捉えられている気管支拡張症について取り上げてもらえることはありがたいことです。先日の疫学論文にもあるように、気管支拡張症の有病者は上昇に転じていると考えています。希少疾患も含め(NTMと一緒に)認知度を高めていきたいです。

こういう雑誌で良質な企画ができる先生というのは限られているだろうなーと思います。

0083の論文がInternal MedicineにPublishされたってよ -Differences in Pleural Fluid Amylase Levels in Patients with Malignant Pleural Effusion Based on Cancer Type, Histologic Type, and Epidermal Growth Factor Receptor Mutations-

こんにちわ、0083です。PubMedに収載された順番に出してくタイプの論文紹介です。

DOI: 10.2169/internalmedicine.1804-23

平素より大変お世話になってるIMに掲載いただきました論文は、癌性胸水における胸水中のアミラーゼ値の検討です。

胸水中のアミラーゼ値は癌性胸水で高値になると言われていますが、他疾患との鑑別に有用とまでは言えず、費用対効果の面でルーチンでの測定は勧められていません。しかし組織型や遺伝子変異を踏まえた検討は乏しいため、我々は癌性胸水を収集して検討しました。

過去10年間で362例の癌性胸水をレトロに収集しました。256例が肺腺癌、12例が肺扁平上皮癌、32例が小細胞肺癌、5例がその他の肺癌、31例が中皮腫、26例が肺以外の原発巣からの転移でした。

胸水アミラーゼ値は肺腺癌(median 58.6 IU/L [interquartile range (IQR) 33.8-139.3])で小細胞肺癌(median 37.2 IU/L [IQR 26.3-63.7], p=0.012)よりも有意に高値でした。その他の組織型や原発に比べ肺腺癌の方が高い傾向にはありましたが有意差はありませんでした。

またEGFR遺伝子陽性の胸水アミラーゼは陰性の症例に比べ有意に高値でした(median 95.8 IU/L [IQR 52.7-246.5] vs. median 51.2 IU/L [IQR 27.8-96.9], p<0.001)。

さらに、過去に我々がADA≥40IU/Lの症例で悪性胸水の鑑別に有用と報告したカットオフ値である胸水アミラーゼ≥75IU/Lで症例を分けた場合、胸水アミラーゼ≥75IU/Lの症例の方が全生存期間が長い傾向にありました(log rank test p<0.001, hazard ratio 0.54 [95% confidence interval: 0.41-0.71])。

胸水アミラーゼ≥75IU/L(n=125):生存期間 384日 (95% Cl: 245-523)

胸水アミラーゼ<75IU/L(n=237):生存期間 154日 (95% Cl: 112-205)

以上より胸水アミラーゼ値は癌性胸水のうちEGFR遺伝子変異陽性例で高く、予後を予測する因子になると考えられます。