0083の論文がCureusにPublishされたってよ -Pseudo-Meigs’ Syndrome With Eosinophilic Pleural Effusion-

今回の論文は症例報告です。

Pseudo-Meigs’ Syndromeという病気をご存じでしょうか?

Meigs’ Syndromeは有名ですよね。骨盤内腫瘍に関係した胸腹水を認める疾患で腫瘍の切除により胸水も自然軽快するのが特徴です。

Pseudo-Meigs’ Syndromeは腫瘍の組織型が異なり、Meigsが良性線維腫または線維腫様卵巣腫瘍(thecoma, granulosa cell tumor, or Brenner tumor)であるのに対し、Pseudo-Meigs’ Syndromeはその他の腫瘍で悪性腫瘍も含まれます。

今回経験した症例は卵巣成熟嚢胞性奇形腫によるPseudo-Meigs’ Syndromeで胸水が好酸球性胸水を呈した1例です!

一般的にPseudo-Meigs’ Syndromeの胸水はリンパ球優位や中皮細胞が増加すると言われていますが、好酸球性胸水の報告はありません。

好酸球性胸水は胸水中の好酸球比率が10%を越えることで定義されます。気胸などの胸腔内に空気が混入した時の胸水が有名ですが、頻度の面では悪性胸水が多く、その他、薬剤や感染症などがあり、特発性も多いと言われています。

今回のはPseudo-Meigs’ Syndromeに合併した好酸球性胸水の初の報告になりますが、Meigs’ Syndromeでは1.9-2.0%で好酸球性胸水を認めると報告されています。しかしその機序は不明です。

さらに今回勉強になったことは、繰り返しの穿刺で好酸球の再現性がなかったことです。当症例は2回目以降はリンパ球優位になりましたが、過去の報告で悪性胸水による好酸球性胸水の38.5-66.7%で2回目の穿刺は好酸球が10%以下に低下するそうです。

好酸球性胸水を見たら様々な疾患を鑑別に入れなきゃですね。