
MAC肺疾患の治療研究を加速させる新たなマウス感染モデルの構築法を結核研究所の瀬戸先生が論文発表しています。
肺MAC症の新しい治療薬を開発するには、マウスを使った評価モデルが不可欠です。しかし、患者さんから得られたMACの臨床分離株はマウスの肺に定着(持続)しにくいものが多く、実験に適した菌株を探し出すのが困難であるという課題がありました。
瀬戸先生らは、この課題を解決する画期的なスクリーニング手法が報告されています。39種類のMAC臨床分離株(クラリスロマイシン耐性株を含む)をマウスに「プール感染(複数株を同時に感染)」させました。そして8週間後に全ゲノムシーケンス(WGS)解析を行い、どの株が肺の中で生き残りやすいかを効率よく特定することに成功しました。
さらに、特定した株を使って標準治療(クラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの3剤併用)の効果を検証したところ、感受性株では菌数が減少し、耐性株では治療効果が落ちるということも正確に評価できることが確認されました。
この研究により、新薬の評価に最適なマウスモデルの作成が大幅に効率化され、難治性である肺MAC症の治療法開発が大きく前進することが期待されます
