NTM symposium 2025の演題募集がはじまりました。

これまでに2回参加させてもらっていますが、大変勉強になります。

WBCをやってすぐに休まず開催するところが、、さすがです。

WBCに参加した先生の多くがまた来たいと話されていましたので、街の雰囲気だけでも充分魅力的です。

ご興味のある先生は是非演題登録して参加してください。

0083の論文がCureusにPublishされたってよ -Comparison of the Utility of Single-Ear and Binaural Auscultations: A Diagnostic Accuracy Study-

今回の論文は、片耳聴診vs両耳聴診!!

DOI: 10.7759/cureus.88673

片耳聴診とは、通常の聴診器の片方のイヤーピースを外して耳をフリーにします。もう片方の耳で聴診をします。そうすることで患者さんとコミュニケーションを取りながら聴診をすることができます。ではその手技の診断精度はどうなんでしょう?

ということで片耳聴診と両耳聴診の精度を比較しました。

   

35名の呼吸器内科医が参加し、肺音のテストを片耳と両耳でそれぞれ行い、以下の3つの評価項目について比較しました。

①聴診可能音量:小さなボリュームから音量を上げ、聴取可能になった音量を測定。

②肺音テストの点数:録音した肺音を参加者に聞いてもらい、その音の所見を答えてもらう。1問2点づつ計8問(Max16点)。

③肺音テストの解答の自信度:肺音テストに解答した際に、その答えの自信度を%で評価してもらった。

以上を静かな環境(40db以下)と騒々しい環境(50-60db)でそれぞれ実施しました。

【結果】

片耳聴診は両耳聴診に比べ肺音テストの点数と解答の自信度が有意に低い傾向がありました。

肺音テストの点数

静かな環境:中央値 12 点 (range 7-15) vs. 13 点 (9-16), p<0.001

騒々しい環境:中央値 12 点 (range 5-16) vs. 13 点 (8-16), p=0.008

解答の自信度

静かな環境:中央値 60.0% (range 30.0-80.0) vs. 70.0% (38.8-92.5), p<0.001

騒々しい環境:中央値 55.0% (range 26.3-78.8) vs. 65.0% (38.8-88.8), p<0.001

一方で、聴診可能音量は有意差を認めませんでした。

肺音ごとの比較では、wheezeは片耳聴診でも鑑別できる傾向にありましたが、coarse cracklesはやや両耳聴診の方が優れていました。

ちなみに呼吸器専門医の有無、男女で分けても有意差はなく、年齢との相関もありませんでした。

【結論】

片耳聴診は両耳聴診に比べ、有意に精度が低下しました。その差は大きくはありませんが、臨床現場において、特に肺疾患を疑う症例ではより精度の高い手技を実施することが推奨されます。

   

※当研究結果を誹謗中傷する目的で使用することを固く禁じます。

世界気管支拡張症/NTM学会から

7/14-7/17までブリスベンでworld bronchiectasis conferenceが開催されました。

私はScientific Committeeメンバーで関わっており、宣伝?も続けていたことから、日本から沢山の先生が参加くださり、嬉しかったです。また、アジア太平洋地域で初めて開催され、この地域での現状や課題を共有する機会を頂けたのは幸いでした。一方で、国や地域間での課題の多様性もあり、アジア太平洋地域からの情報発信の重要性も再認識されました。

また、もう一つの特徴は、オーストラリアの同分野をリードする3人の女性が会長を務めたという点です。既に世界的なリーダーでもあるので、アクセスの悪い、米国、ヨーロッパからも多くの参加者がいただけでなく、APACへの注目を集める構成にして頂いたおかげで、同地域からの司会や講演者も含め、バランスの意識された素晴らしい会になりました。東アジアからもこのような女性のリーダーが出てくるといいですね。

我々のグループからは、古内先生がrising Star賞を渡辺先生がベストポスター賞を受賞しました!

さらに、森野先生からNDBを使った疫学研究が、大野先生から酸素療法を導入された気管支拡張症の臨床解析を発表し、沢山の方から注目されました。

私も、講演を2つ行う機会を頂き、日本の歴史と実臨床の実情について発信しました。

今後も気管支拡張症と非結核性抗酸菌症のより良い医療のために取り組んでいければと思います。

Rising Star Award

Poster Award

平野先生の論文がInternal medicineにPublishされました -Atypical Computed Tomography Findings of Nonfibrotic Hypersensitivity Pneumonia with Emphysema: A Case Report and Literature Review-

2024年に当院で研修をしてくれた平野先生が症例報告を書いてくれました。

何事も一生懸命やってる姿が好評で、論文も頑張りました。掲載おめでとうございます!

DOI: 10.2169/internalmedicine.5801-25

強い気腫性変化により非典型的な画像所見を呈した非線維性過敏性肺炎の一例です。

1ヶ月前からの呼吸困難で来院し、CTで気腫性変化の間にすりガラス影と粒状影を認めました。気管支鏡検査を行い、また抗原回避で病状改善したため非線維性過敏性肺炎と診断しました。しかしCTは気腫性変化のため典型的な所見とはいえず、診断が難しい症例でした。

興味深いことに、過敏性肺炎の発症前と改善後にもCT撮影しており、気腫性変化を3D画像解析によるThe percentage of low attenuation area (%LAA)で計測したところ、発症前、発症時、改善後で%LAAに変化はありませんでした。つまり、この気腫性変化は過敏性肺炎のものではなく、COPDによるものと診断しました。

また過去に当院で治療をした非線維性過敏性肺炎18例の%LAAを計測しましたが、当症例の%LAAが最も高く、非常に稀な症例であることが示されました。

アンケートへのご協力をお願いします。

アンケートはこちらからhere.

気管支拡張症において、最も重要な世界的研究の優先事項を明らかにし、今後の研究資金の配分や政策立案に役立てる」ことを目的としています。

Lung Foundation Australia は、国際的な専門家および関連組織と連携し、気管支拡張症に関して研究者が今まさに取り組むべき課題について、皆さまのご意見を求めています

この匿名オンライン調査の結果は、研究者、政策立案者、資金提供機関などが、今後どこに注目し、時間と資源を投入すべきかを判断するための重要な情報となります。

私たちは、気管支拡張症の予防・管理に日々取り組む専門職の方々や、実際に疾患を持つ、あるいはそのリスクがある、影響を受けている方々から明らかになった重要な課題やニーズに基づいて、世界的な研究の優先順位を設定すべきだと考えています


すべてのご意見を歓迎します。ぜひ、思いつく限り多くの質問、課題、コメントをご記入ください。

この調査へのご協力をお願いしたい対象は以下のとおりです:

  • 気管支拡張症の患者さん
  • 気管支拡張症のある方のご家族や介護者
  • 気管支拡張症に関わる多職種の医療専門職
  • 呼吸器医療、公衆衛生、疫学、または関連分野の研究者・学術関係者
  • 関連団体、消費者団体、政策・アドボカシー関係者の代表者

皆さま一人ひとりの視点が大切です。
この重要な取り組みは、皆さまのご協力なしには成り立ちません。ぜひ、匿名の調査にご回答いただき、同僚や患者さん、ネットワークの方々にも共有してください。

気管支拡張症の素因とNTM症罹患率上昇

イメージです。

特発性、というと反対意見もあるかもしれませんが、ここでは背景疾患の明らかでない症例という意味です。特発性NTM症罹患率増加のイメージを気管支拡張症の視点で作成しています。